会心の勝利(10/2 福岡戦)
昨日(10/2)はアウェーでの福岡戦でした。緊急事態宣言の解除にともなって2~3日前にビジター席が販売されたそうで、そのチケットを買って福岡まで行かれた方がいっぱいいましたね。現地観戦された方、お疲れ様でした。
福岡は前節まで5試合負けなしと調子に乗っているので相当苦戦する事が予想されましたが、実際には最後の方はかなり押されましたが2-1で勝利。内容的にも満足できるもので、前節どこかモヤモヤする試合を見ていて少々不安に思った分余計にホッとしました。
<明治安田生命J1リーグ 於 ベスト電器スタジアム>
清水エスパルス 2ー1 アビスパ福岡
エスパルスのスタメンは以下の通りです。
GK 権田
DF 原、ヴァウド、井林、片山
MF 松岡、ホナウド、西澤、カルリーニョス ジュニオ
FW 藤本、チアゴ サンタナ
SUB 永井、鈴木義、奥井、竹内、鈴木唯、ディサロ、指宿
前節契約で出場出来なかった藤本がスタメン復帰。左サイドハーフにはコロリでなくカルリーニョスが復帰しました。コロリがリザーブにも入らなかったのは気になるところ。
前半から中盤での激しいつぶし合いになりましたが、試合開始から攻守ともにコンパクトなポジションを維持したエスパルスがペースを握り、27分、スローインのボールを奪って西澤がゴール前に持ち込み、いったんはボランチにボールを奪われましたが、後ろにこぼれたボールを藤本がかっさらってシュート。GK村上に防がれましたがこぼれ球をサンタナが押し込んで、エスパが先制に成功します。その後も福岡の攻撃を凌いだエスパが1-0でリードして前半を折り返しました。
後半開始からFWに渡を入れて攻勢に出ようとした福岡ですが、48分、スローインをサンタナに入れ、いったんはDFに防がれましたが、こぼれ球がサイドに張っていた西澤に流れます。西澤がこれをDFとGKの間の絶妙な位置に浮き球で入れると、これをカルリーニョスがGKと交錯しながらも押し込んで、エスパが追加点を奪います。その後もエスパがゲームをコントロールしましたが、60分頃に福岡が三枚替えて攻勢を強めたところから押されるようになり、81分、志知からのクロスを途中出場のジョン マリに合わされて1点差。その後も勢いの出た福岡に押し込まれましたが、エスパは87分にルヴァン杯で大けがを負った鈴木義を投入して最終ラインを5枚にして凌ぎ切り、2-1で貴重な勝利をあげました。
福岡はコンパクトなブロックを敷いて前からプレスをかけ奪ったボールを早めに展開するサッカーが持ち味ですが、この試合の特に前半はエスパがお株を奪うような試合運びをみせました。4-4-2のコンパクトなブロックを敷いた上で、相手が3枚でビルドアップするのに対して常に2トップとサイドハーフのどちらかがプレスをかけ、中盤にボールが入ればダブルボランチが、サイドに入ればサイドハーフとSBがチェックをかけて福岡に思うようなパス回しをさせません。またこの日は選手間の距離やポジショニングが非常によく、更に2トップが献身的にプレスバックしてくれたのでルーズボールを拾えていたし、ボールロストした時のいわゆるネガトラも非常に早くて、ボールを奪われても奪い返す場面が何度も見られました。60分頃までは失点する気配がなかったですね。
ボールを奪ってからの攻撃は基本的に後ろから繋ぐやり方でしたが、明確に狙っていたのが両SBのウラ、特に相手左SBの志知のウラだったと思います。このため原、西澤は最初は上がり過ぎずに右サイドでボールを受けて志知、杉本に前に来させて、そのウラに藤本が入ってボールを受けて西澤のフォローによって相手左サイドからアタッキングサードに侵入する形を何度も作っていました。左サイドも同じで、SBのウラにサンタナやカルリーニョスが入ってボールを運ぶシーンが何度かありました。そこから先を崩し切る場面はなかなか作れませんでしたが、相手が前に出るところをいなしてウラを取る事が出来れば、相手としたらなかなかプレスをしにくくなると思うので、そうした狙い通りのビルドアップが好調な福岡のペースを崩し、自分たちがゲームをコントロールする事につながったのではないかと思います。
課題は福岡が62分に3枚替えをしてきたところから相手の攻勢を許した事ですね。このあたりから疲れからか最終ラインが高さを保てなくなって中盤との間にスペースを作ってしまい、そこを使われてしまいました。それでも81分までは何とか撥ね返す事が出来ていたしカウンターも仕掛ける事が出来ていたので、何とかゲームをコントロール出来ていたと思うのですが、81分にジョン マリにゴールを許してからは完全に福岡に流れを持っていかれてしまいました。失点の場面はジョン マリが両CBの間に入った事に両CBが気付いていなかったかもしれませんね。ゾーンディフェンスの守り方からするとホナウドがヴァウド、井林に声をかけて注意させるべきでした。ただ志知のクロスも良かったしジョン マリの身体能力を活かしたゴールも見事だったので仕方ないかなと思います。問題はその後の6分間最終ラインと中盤との間が空いてしまって、一方的に攻められてしまった事。特に渡が原をかわしてシュートを打った時はやられたと思いました。あそこで自分達でポジショニングを見直す事で流れを一方的に持っていかれないように出来ればよかったですね。まあロティーナ監督のベンチワークによって最終ラインを5枚にする事で相手の勢いを封じる事が出来たので良かったですが。あと最後の場面、自陣ゴール前でFKを与えてあわやという場面を作られたのも反省点ですね。出来れば余計なファウルはしないようにしたいところです。
以上のような反省点はありますが、試合開始から60分間は相手の良さを消してこちらがボールを握る時間を増やし、じっくり回しながらスキを窺って得点を狙うというロティーナ監督がやろうとしているサッカーがかなり高いレベルで出来ていました。夏の移籍ウィンドウの際に5人もの選手を加入させた事でチーム作りに余計に時間がかかってしまった感がありますが、ようやくこれらの選手が馴染んできて良いサッカーが出来るようになっていると思います。個人で見ても藤本の攻守に渡る献身性が光ったし、松岡、ホナウドのダブルボランチの安定感も増してきています。特にホナウドのボール奪取能力は凄いですね。さらにカルリーニョスがようやくスタメンに入れるまでになったのは大きいです。まあ今季は「3歩進んで2歩下がる」戦いを繰り返しているので楽観視は出来ませんが、自信を持って戦えば結果は伴ってくると思うので、頑張って欲しいですね。
次週は国際Aマッチウィークなので、エスパの次戦は2週間後のホームでの柏戦です。ここで勝つ事が出来れば順位を上げる事が出来ます。松岡がサスペンションで出場できないのが痛いですが、その穴は竹内が埋めてくれるでしょう。2週間の準備期間を使って最善の準備をして欲しいと思います。
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