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2021年10月26日 (火)

出来る事はやったけど(10/24 川崎戦)

 一昨日(10/24)はアウェーでの川崎戦でした。この試合ではアウェー席が開放されたのですが、このところの等々力での川崎戦はホームのサポでもチケット獲得が難しいそうで、アウェー席の割り当ても例年と比べて非常に少ないものでした。それでも数少ない関東アウェーでの試合なので先々週のチケット発売日に購入しようとしましたが、数分で瞬殺。あえなくDAZN観戦となりました。

 という事で、当日現地で観戦された方々はまさに勝ち組だったわけですが、中継中サンバのリズムを絶やす事なく響かせて試合を大いに盛り上げてくれました。その事に感謝したいです。

<明治安田生命J1リーグ 於 等々力陸上競技場>

 清水エスパルス 0ー1 川崎フロンターレ

 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

 GK 権田
 DF 原、ヴァウド、井林、片山
 MF 松岡、ホナウド、ベンジャミン コロリ、カルリーニョス ジュニオ
 FW 藤本、チアゴ サンタナ
 SUB 永井、鈴木義、奥井、竹内、西澤、鈴木唯、ディサロ

 サスペンション明けの松岡がスタメン復帰し、コロリも2度目のスタメン入りを果たし、スタメンの中で外国籍選手が5人入りました。とはいえ、スタメンについてはかなり固まってきた印象があります。

 前半15~20分はほぼ互角の展開だったと思います。攻守ともJ1最強レベルにある川崎を相手に、エスパルスはいつも以上に4-4のゾーンをコンパクトにして相手にスペースを与えないようにし、奪ったボールは相手ボランチの両脇を使って前進させる形をとって何度か川崎陣内に攻め込みます。が、時間がたつにつれて川崎がボールを握る時間が長くなり、両サイドを起点にして揺さぶられていきます。が、何とか中へのタテパスだけは許さない守備を徹底する事で対応し、前半はスコアレスで折り返しました。

 後半も少しでもスコアレスの時間を長くするのがエスパルスの狙いだったと思いますが、47分、家長から脇坂へタテパスを通され、そこから真ん中へクロス。ボールは逆サイドに流れましたが、それをどフリーのマルシーニョが拾って真ん中へクロス。これをレアンドロ ダミアンがヒールで流し込んで、川崎が先制します。これでエスパ側のメンタリティが少し落ちてしまい、川崎が引き続きパスを回して揺さぶりをかけて追加点を狙う展開に。エスパははね返すのが精一杯で相手陣に攻め込む事すら出来ません。それでも西澤を右サイドに入れたあたりから原との連携で少しずつ前に出られるようになり、さらにディサロを入れて何とか同点に追い付こうとしましたが決定機を作るまでには至らず、0-1で2試合連続完封負けとなりました。

 一言で言えば「完敗」です。決定機はなく、惜しい場面もカルリーニョスのシュートくらい。特に後半はかなりの時間ボールを握られる展開となってしまいました。何と言うか、流石としか言いようがないですね。

 ただ、エスパルスも出来る事はやっていたと思っています。いつもの4-4-2のブロックをさらにコンパクトにしてスペースを潰した上で2トップが真ん中へのパスコースを消してサイドに誘導し、サイドでSB、サイドハーフ、ボランチで連携して簡単にクロスを上げさせない守り方を徹底させていました。こちらの右サイドにいたマルシーニョはスピードとテクニックを備えたイヤな存在でしたが、失点時以外は彼を自由にさせる事はなかったし、たまに中へカットインされても数人が寄せてドリブルやパスコースを塞ぐ事で決定機を作らせませんでした。一方でボールを奪った時は相手ボランチの橘田の両脇のスペースに藤本が降りてそこでポイントを作る事でアタッキングサードへ前進させる事が出来ていました。残念ながらアタッキングサードに入ってからについては川崎の守備がタイトだった事もあって決定機を作る事は出来ませんでしたが、両サイドのコロリ、カルリーニョスにボールが入った時は可能性を感じさせてくれました。全般に言える事は、川崎の方が現時点では明らかに上なのは認めたうえで、まずはゾーンディフェンスを更にタイトにして1つ1つ相手の手数を減らす事でリスクヘッジを図り、その上でこちらがボールを握った時には両サイドを起点にしながらゆっくりボールを回して相手のスキを窺うというのがおそらくはウチのゲームプランであり、それは前半は機能していたと思います。

 ただそれでもこちらがわずかに与えたスキを逃さないのが今の川崎なんですね。失点シーンは初見の時はいったんボールをはね返した事による気のゆるみかなと思ったのですが、見返してみるとゆるみというのは可哀想かなと思いました。脇坂にタテパスが入る前、家長にカルリーニョスとホナウドの二人が静体していて脇坂へのパスコースを消しきれてなかったのは確かにあるのですが、カルリーニョスとホナウドとの距離って狭かったのです。そこに正確にパスを通した家長とボールを受けた脇坂の真ん中へ素早くクロス状のボールを出した判断の速さには脱帽せざるを得ません。わずかなポジションのミスと言えなくはないですが、それで戦犯扱いするのは可哀想かなと思います。あと川崎と対戦した時にいつも感心するのがトランジション、特に攻から守へのトランジションの速さで、前半は何とかかわして前に出る事が出来たのですが、後半先制してメンタル的に落ちてしまってからは中途半端にパスを出したり無理に前進しようとしてはすぐ回収される場面が非常に多くなってしまいました。こちらのリバウンドメンタリティの問題はあるにせよ、ボールロストしたらすぐ周りの選手がボールホルダーへチェックをかけにいく切り替えの早さは、やっているサッカーが異なるにせよ見習わないといけないと感じました。

 という事で、現時点でのチーム力の差が現れたゲームだったとは思いますが、与えられた条件の中でエスパルスは出来る事をよくやっていたと思います。特に前半はお互いの手の読み合いがみられた緊張感のある試合だったと思います。負けてしまった事は残念ですし、今節残留争いをしている下位チームの多くが勝ち点を伸ばしたのでのんびりしていられなくなりましたが、率直に言ってこの日の敗戦は想定内と言えるので(その意味で前節は本当に痛かった)、この試合に関してはゲームプランをしっかりこなした事を評価して切り替えるしかないと思います。

 ただ現在のチーム戦術では、いわゆるポジティブトランジションの際にはカウンターを狙うよりはまずボールをきちっと保持する事を優先させる事になっています。その上で相手を崩していくサッカーなのですが、果たしてそれがエスパに合っているのか、来季もそれでいくのかについては、今後論点になっていくかもしれませんね。もちろん今はこのサッカーを極める事が最優先ですが。

 今週末はルヴァン杯決勝があるので、リーグ戦は来週水曜のFC東京戦です。これまた相性の悪いチームとの対戦ですが、もう5試合しかないので悠長な事は言ってられません。最善の準備をして何とか勝ち点を積み上げて欲しいです。

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