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2021年9月21日 (火)

9試合ぶりの勝利(9/18 仙台戦)

 もう一昨日(9/18)ですが、ホーム・アイスタ日本平で仙台戦が行われました。当日は台風が直撃する予報が出ていて開催が危ぶまれていましたが、静岡に着く前に温帯低気圧になった事もあって交通機関等の乱れは発生せず、無事に試合が行われました。

 残留争いに巻き込まれているチームとの直接対決はこれで最後という事で、是が非でも勝つ事が必要でしたが、何とか勝てて良かったです。しかもリーグ戦での勝利は7月の大分戦以来9試合ぶりという事で、本当にホッとしました。

<明治安田生命J1リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 清水エスパルス 2ー1 ベガルタ仙台

 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

 GK 権田
 DF 原、ヴァウド、井林、片山
 MF 松岡、ホナウド、西澤、鈴木唯
 FW 藤本、チアゴ サンタナ
 SUB 永井、立田、奥井、竹内、滝、カルリーニョス ジュニオ、ディサロ

 前節J1デビューを果たした山原ですが大学の公式戦があるため大学へ戻り、変わって片山が入りました。またコロリがコンディション不良で欠場し、サイドハーフの代役には西澤と唯人が入りました。リザーブには怪我明けのカルリーニョスとディサロが久しぶりに入りました。

 立ち上がりからお互いに前から積極的にプレスを仕掛けるなどがっぷり四つの展開となりましたが、少しずつボール支配を長くしたエスパは19分、CKからニアで井林がスラしたボールをサンタナが押し込みます。副審はオフサイドと判定しましたが、主審の松尾さんは判定せずにVAR担当のチェックを待ち、1分ほどたった後でゴールの判定。エスパが待望の先制点をあげました。その後は仙台に押し込まれる時間帯もありましたが、概ねエスパが試合をコントロールし、1-0で前半を折り返しました。

 後半から仙台はシステムを3-4-2-1に変えて攻勢に出ようとしましたが、52分、GKのスウォビクのボールキープ時のトラップが少し流れたのを藤本が見逃さずにスウォビクとの距離を詰めてスライディングでボールを押し込み、エスパが願ってもない追加点をあげます。しかし諦めない仙台は更に選手を代えて攻勢をかけ、60分、ファーへのCKをトラップしたフェリペ カルドーゾがシュートを決め、1点差となります。勢い付いた仙台は更に攻勢をかけますが、エスパが飲水タイム明けに守備時のシステムを仙台と同じ3-4-2-1にして仙台の勢いを削ぎ、約9分間のアディショナルタイムを凌いだエスパルスが貴重な勝ち点3をあげました。

 残留争いの直接対決という事でレベルが低く見られがちですが、お互い負けられないという事で気合が入っているのが伝わってきたし、そこに両チームの監督のシステム変更等による駆け引きも見られて、なかなか見応えのある試合でした。最初は同じ4-4-2同士でしたが、エスパの守備はいつもと同じで2トップがボランチへのパスコースを消しながら両CBにプレスをかけ、サイドにボールが出たらサイドハーフがチェックに行く。そして真ん中は松岡、ホナウドの両ボランチが睨みをきかせる形にして、仙台に思うような攻撃をさせませんでした。これに対して仙台は最初はボランチを両CBのフォローに降りる事をしなかったのですが、飲水タイム明けからボランチの1人を両CBのラインまで降ろしてビルドアップさせるようにしてきました。これで2トップのプレスがボヤけ、仙台は中盤のラインから先へ進めるようになり、いくつかファウルを誘ってセットプレーからチャンスを作れるようになりました。ただそれでもこちらを崩すまでには至らなかったので、後半開始からシステムを3-4-2-1へ変更。これによりエスパはサイドハーフがプレスの行先を迷うようになってサイドからボールを運ばれるようになり、1点差にされた事もあって仙台の攻撃を勢い付かせてしまいました。これを見たロティーナ監督は飲水タイム明けから守備時のシステムを仙台と同じ3-4-2-1へ移行。これで落ち着きを取り戻したエスパはこの後の仙台の選手交代とシステム変更にも問題なく対応しました。仙台もそうですが、相手や状況に応じてシステムを変えられる事の効果が出ましたね。

 という事で最後はシステム変更によって凌ぎ切った形になりましたが、90分通して守備組織は安定していました。全体がコンパクトさを保ちながらボールが後ろにある時はパスコースを消しながらプレスをかけ、アタッキングサードまでボールを運ばれたら4-4-2のブロックを築いて真ん中で思うようにやらせない守備が出来ていました。特にプレス時の藤本と松岡、ホナウドの両ボランチが効いてましたね。印象的だったのはアディショナルタイムでの相手陣FKからの仙台のロングカウンターで、この時はどうしても鹿島戦の3失点目が脳裏に浮かびましたが、この日はみんなが自陣ペナまで戻って粘り強く対応して決定的なシュートを打たせませんでした。この場面に限らず1人1人が身体を張っていましたが、この場面にそれが象徴されてましたね。ただ課題はやはりセットプレーでの守備でしょうか。久々にCKからやられてしまいましたが、ボールがファーに流れた時の対応をもう少し見直したいですね。

 攻撃に関しても、ビルドアップのところでいろいろ仕込んでいる事が感じられました。相手の両ボランチ脇のハーフスペースに西澤、唯人の両サイドハーフや藤本が降りてきてボールを引き出す場面が増えていて、それによりサンタナの負担を軽減させていたように思います。サンタナにボールが入る時も誰かがサポートに入るようにしていて、サンタナもそこにダイレでボールを渡す場面が多かったです。数試合前はビルドアップ時のサンタナのポストプレーが課題になっていましたが、サンタナの復調もあるもののだいぶそこを仕込んできたなと思います。攻撃時の課題はやはりアタッキングサードに入ってからいかに崩すかですが、そこについても後半の藤本とホナウドのワンツーによる突破や松岡とホナウドのワンツーによる決定機というこれまで観られなかったシーンもあったので、そこも少しずつ仕込んできている模様です。後はもう少し最終ラインからサンタナ、藤本にウラ抜けを狙わせるパスが増えるとまた攻撃のバリエーションが増えるので、それも試して欲しいところです。

 ここ8試合勝つ事が出来ず残留ラインすれすれの順位にいただけに、サポーターの方はフラストレーションが溜まっていたと思います。僕も「内容は悪くないのに」と本当にもどかしい思いをしていました。それだけにこの1勝は、たかが1勝ではありますが、非常に大きかったと思います。まだまだ勝ち点30点台に達していないし残留に向けて100%楽観視は出来ませんが、一方でウチはこんな順位にいるサッカーはしていないと思っているので、満足する事なく上を目指して欲しいです。

 次は金曜のホーム・アイスタ日本平での神戸戦です。ACL出場を争っているチームとの対戦という事で厳しい戦いにはなるでしょうが、アイスタで戦うわけですから無様な戦いは出来ません。勝ち点3奪取に向けて最善の準備をして欲しいです。

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