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2021年8月10日 (火)

新戦力の躍動と既存戦力の奮起(8/9 横浜FM戦)

 何だかんだで盛り上がったスポーツの祝祭である東京五輪が8/8無事閉幕しました。そして翌日から早速Jリーグファンにとっての日常であるJリーグが再開されました。エスパルスはホーム・アイスタ日本平に横浜FMを迎えました。行きたかったのですが、まん防とか以前に家の用事が入ってしまったため、DAZNでの観戦となりました。

 リーグ戦7連勝中の横浜FMとの対戦という事で厳しい戦いになるとは思ってましたが、予想通り厳しい戦いになりました。ただ内容的に見応えがあったし、西澤の同点ゴールが決まった時の喜びは申し訳ないけど五輪でのサッカーの代表のゴールなどよりも大きいものでした。やはり日頃から応援しているチームの戦いを見守る日常はやはり楽しいものだなと思いましたね。

<明治安田生命J1リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 清水エスパルス 2ー2 横浜F・マリノス

 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

 GK 権田
 DF 原、ヴァウド、井林、奥井
 MF 片山、松岡、竹内、滝
 FW 鈴木唯、チアゴ サンタナ
 SUB 永井、立田、宮本、河井、西澤、後藤、指宿

 中断前の川崎戦から3人を変更。立田に代えてヴァウドを起用し、怪我のカルリーニョスの代役には滝が今季初スタメン。そして宮本に代えて先日加入したばかりの松岡を抜擢しました。サブでは中山、ディサロに代えて西澤、後藤が入りました。中断期間中の練習で良いアピールが出来ていたのでしょうね。

 試合は開始早々から動きます。左サイドからのFKで、滝がファーへ入れたボールをサンタナが折り返し、片山がそれを押し込んでエスパが先行しました。ただ横浜FMは慌てる事なく前へ前へとボールを繋ぎ、ボールロストしてもすぐさまプレスをかけてエスパの反撃を許さず、殆どエスパ陣内でゲームが進みました。そして39分、中に入っていたティーラトンからの原のウラへのボールを仲川に折り返され、マルコス ジュニオールに押し込まれて横浜FMに同点に追い付かれます。試合はこのまま横浜FMペースで終了しました。

 後半、ペースを取り戻したいエスパでしたが、47分、ペナ前のワンツーから小池に抜け出され、一旦は井林のカバーで難を逃れたもののそのこぼれ球からエウベルにゴールを決められ、逆転を許します。これを受けてロティーナ監督はヴァウド、奥井、滝に代えて立田、西澤、後藤を入れる三枚替えを敢行。これで少しずつペースを取り戻したエスパは60分、片山からサンタナへのフィードからのこぼれ球を拾った後藤が前へ抜け出してクロス。これを西澤がヘッドで合わせて同点に追い付きます。この後しばらく一進一退の展開となるものの、次第に足が止まったエスパを横浜FMが自陣にくぎ付けにしますが、エスパも身体を張って守り抜き、結局2-2のドローとなりました。

 この試合に向けて準備したであろうセットプレーの形から幸先よく先制出来たまでは良かったのですが、それによって「まず守備重視」という意識が強くなったのか、前半はかなり後ろに重たい形になってしまいましたね。要因の1つ目は前プレが上手くいかなかった事で、4-4-2のブロックを作ってサンタナと唯人に相手のCBからボランチへのパスコースを消させる守り方をしたと思うのですが、そこは相手はわかっていたでしょうし、そもそも両ボランチのボールの引出し方が上手いから前で殆ど引っかけられませんでした。2つ目は横浜FMのいわゆるネガトラが非常に早くて厳しかった事。ロストしたらすぐ切り替えてボールホルダーに対して襲い掛かってくるから簡単に前に繋ぐ事が出来ませんでした。こちらのいわゆるポジトラが特に前半は遅かったのもありますが、あのネガトラの速さは見習わないといけないと思いますね。

 そんな感じでリトリートしての守備をする時間が多かったのですが、最初は左サイドの滝と奥井の連携が今一つで何度か崩されかけたものの次第に機能するようになって、簡単にタテパスを入れさせない守り方が出来ていたと思います。横浜FMは前線にエウベル、レオ セアラという個人技の優れた選手がいるし、両SB、特に小池がどんどんインナーラップを仕掛けてきたので、捕まえるのが難しかったと思いますが、味方との距離をきちんと保ちながら辛抱強く守れていたと思います。2失点はしましたけど、1失点目は相手の崩しの上手さを褒めるしかないでしょう。悔いが残るとしたら2失点目ですね。小池が入ってきた時の滝の反応とその後のエウベルへの寄せが遅かった。ゴールされた後に権田がキレてたのはこの滝のプレーに対してじゃないかと思います。横浜FMのような強い相手と戦う時はちょっとスキを見せるとやられるという事を覚えておかないといけません。

 先制してから逆転されるまで殆どペースを握られていたので、逆転ゴールを決められた後は負けを覚悟したのですが、すぐ後の選手交代が流れを変えましたね。両サイドハーフに入った西澤と後藤が前への意識を高く持ってプレーしてくれたので、その分ボールを奪った時の推進力が上がりました。特に良かったのは後藤で、3回前へ抜け出して1本惜しいシュートを放ち、残りの2回で決定機を作って内1回はアシストとなりました。そのボールをヘッドで叩き込んだ西澤も原と連携して右サイドの攻めを活性化してくれました。立田も後ろからの繋ぎを井林や権田と連携しながら辛抱強くしてくれたし、守備時も身体を張ってくれました。前の記事で五輪代表の選手交代に対する不満を書き連ねてしまいましたが、「さすがロティーナ監督は違うわ!」と感心しました。

 それとつい記憶違いをしがちなのですが、同点ゴールは前プレからひっかけてのカウンターではなくて、後ろから繋いでのものなんですよね。後ろから辛抱強く繋いでいったんは唯人からオーバーラップした右SBの原にボールが渡ったのですが、前田につかれていたので後ろへ戻して、それに対して横浜FMが猛然とプレスをかけてきて、何とか左サイドへ逃がしたボールを左SBへ回っていた片山がサンタナへ当てるボールを入れて、そのこぼれ球を後藤が拾ったところから始まっています。かなり余裕がなかったのですが、結果として横浜FMを前に引き込んでの疑似カウンターの形になっているのです。この場面に限らず、所々でこうした後ろから繋いでいく形を何度か見せています。この日は横浜FMの厳しい守備の前になかなか上手くはいきませんでしたが、中断期間中にしっかり練習したと思われるので、この後のG大阪戦等でその成果を見せて欲しいところです。

 個人に目を向けた時に触れないといけないのは松岡でしょうね。まだ若いのに攻守ともに高次元のプレーを見せてくれました。攻撃では慶太のようにロングパスを出したり自分で持ち出したりできるし、守備では要所でヘナトのような厳しいチェックを入れる事ができる。この先間違いなくボランチのファーストチョイスになるでしょうね。一方で既存戦力の西澤、後藤が途中出場ながら流れを変えてくれたのも今後に向けての好材料です。2人ともなかなか出場機会を貰えずに苦しんでいたと思いますが、クサらずに練習に取り組んでくれた事がこの日は実をむすびました。ホナウドとコロリまで加入して中盤のポジション争いは非常に厳しいものとなりますが、この日の感触を忘れずに精進して欲しいです。

 次は金曜日(8/13)にG大阪とホーム・アイスタ日本平で対戦します。いわゆる「6ポイントマッチ」ですね。ただこの日の試合を観る限り確実に攻守ともに少しずつ良くなってきていると思うので、変に力を入れる事なく普段の練習の成果を出してくれればと思います。

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