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2021年7月 6日 (火)

誕生日祝い(7/4 大分戦)

 明日(7/7)はもう試合なのにも関わらず、また試合の感想を書きますが、その前に1つ。

 7/3、神奈川県西部から静岡県東部にかけて豪雨があり、熱海で土石流が発生して犠牲になった方が出るなどの大きな被害が出てしまいました。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害にあわれた方に対しお見舞い申し上げます。

 その翌日の7/4は、’92年にチーム結成後初めての対外試合をG大阪を行った日という事で、エスパルスの誕生日となっていました。クラブとしてもこの試合に向けてのイベントの準備等をしていて、僕も行くつもりでいましたが、前日にあのような事があって交通機関が止まったため、行けるかどうかがそもそもわかりませんでした。が、試合当日には朝から新幹線が平常運転していたため、予定通りアイスタ日本平へ行ってきました。試合はしんどい展開でしたが何とか勝つ事が出来て、行った甲斐があったなと思いました。

<明治安田生命J1リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 清水エスパルス 1ー0 大分トリニータ

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 エスパルスのスタメンは以下の通りです。

 GK 権田
 DF 原、ヴァウド、立田、奥井
 MF 片山、宮本、竹内、カルリーニョス ジュニオ
 FW 鈴木唯、チアゴ サンタナ
 SUB 永井、福森、中山、河井、西澤、ディサロ、指宿

 怪我から復帰した奥井とカルリーニョスが中山とディサロに代わってスタメンとなりました。基本システムは4-4-2ですが、状況によって変えてましたね。

 お互いにボールを長く握ってゆっくり回しながらスキを窺ってくるチームという事で、特に前半は神経戦のような展開でした。試合の入りはエスパルスの方が良くて、10分過ぎのサンタナの決定機などを作りましたが、大分は5-4-1のブロックを作っているのでなかなか剥がす事が出来ません。次第に大分もペースを掴み、20分過ぎの小林のミドルなどのチャンスを作りましたが、エスパもボールの位置に応じてシステムを変えながら真ん中はしっかり固めていて決定機まで作らせません。やがてエスパの方が前からのプレスを厳しくする事で少しずつペースを引き戻し、前半はスコアレスで折り返しました。

 後半は前半終わり頃の流れを引き継いだエスパが優位に試合を進め、決定機までは至らないもののチャンスを作っていきます。迎えた67分、CKから片山のシュートはGKに弾かれましたが、そのこぼれ球を拾ったヴァウドがクロスを入れ、原がそれをニアで合わせて、エスパルスが待望の先制点を奪います。これに対し大分は攻撃に人数をかけてくるようになり、特に77分にシステムを4-4-2にしてからは一気に攻勢をかけ、87分には伊佐のヘッド、90分にCKを権田がパンチングしたボールを直接シュートされるという決定機を作られましたが、前者は権田のファインセーブ、後者は竹内のカバーによりいずれも失点を防ぎ、エスパルスが誕生日を白星で飾りました。

 前半から後半先制するまでは詰め将棋のような神経戦、先制してからは大分の反撃をエスパがはね返してカウンターを狙う展開という感じではっきり分かれました。その中で前者の神経戦が見応えがありました。大分は基本システムが3-4-2-1で、攻撃時は3バックに加えてボランチの1枚が下がって4人でボールを回し、相手が焦れて前に出てきてその分スペースが空いたのを狙って疑似カウンターを仕掛ける事を得意にしています。ウチも今季のアウェイの試合では前半その形から唯一の決定機を作られ、その直後のCKで先制を許し敗れています。今回は同じ過ちはしたくないという事でロティーナ監督がとった策は、相手が最終ラインプラス1人でボールを回している時に2トップと両サイドハーフの4人をぶつけてボールを前に容易に運ばせない事でした。ただ大分も常に後ろを4枚にしているわけではなく、サイドにいる選手が中盤あたりまでポジションを上げる事もあります。そこも想定してロティーナ監督は片山に指示していたみたいで、実際片山は相手3バック左の上夷が後ろでのボール回しに入っている時は左WBへのパスコースを消し、中盤あたりに上がってきたらボランチのあたりまで下がりながらチェックをかけ、ボールを自陣に運ばれた時は下がって5バックを形成するというかなり流動的なポジショニングをとっていました。片山にそれをさせる事で後ろからボールを前に容易に運ばせないようにし、ボールを自陣まで持ってかれた時も少なくとも疑似カウンターのためのスペースは作らせないという狙いだったと思いますし、実際効果はそこそこあったと思います。片山がいるからこそ出来る策でしょうけどね。

 ただ大分は長年このやり方で戦ってきたチーム。ボール回しは長けていますし、いくら後ろからのパスコースを4人で塞いだとしても中間ポジションに入って無効化できます。加えてこの日は下田がスタメンに復帰していて、後ろからこちらの最終ラインへのロングボールを何本か通していました。何より前に4人並べても最初はパスコースを消す事を中心にしていたため、大分にボールを持たれるとなかなかボールを奪い返せませんでした。奥井はそうした事を気にして前にプレスをかけてもらうように言ったのだと思います。試合後のコメントで権田が明かしてましたね。加えて飲水タイムの時には立田が最終ラインの選手達にラインを上げる事を言ってました。かくして飲水タイムが明けて以降、前の選手達は相手最終ラインに対してプレスをかけるようになり、加えて相手がボールを後ろに下げた時は立田の指示の下で最終ラインも上げるようになりました。これにより大分に圧力をかけられるようになり、それによるボールロストを回収していく事でボールを握る時間を増やしていきました。ボールを握る時間が増えれば、今のエスパは4~5月頃と比べてボールを前に運ぶ手段が増えましたから、相手陣へ侵入する回数も増やす事が出来ます。この日も右は原と片山の連携、左はカルリーニョスの馬力で前に運べてましたし、そこへ竹内、宮本が適切にボールを渡す事も出来てました。立田からも良いフィードがありましたしね。まあ相手陣へボールを運んでから苦労しましたし、結局セットプレーで何とか得点をとった形ですが、得点力不足と言われた頃よりは明らかに進歩しています。何より以前はロティーナ監督が授けた策をこなすので精一杯な感じだったのが、この日はピッチ上でコミュニケーションをとって微調整する事が出来ました。これは大きな進歩と言えるでしょう。それを生で観る事が出来ましたから、行った甲斐があったというものです。

 課題は先制してからの戦い方でしょうね。相手が明らかに前に人数をかけて攻めてきた時に、いなす術を持たずにまともに受けてしまった事で押し込まれてしまいました。特に相手が選手交代で4-4-2にしてからは相手のボールの運び方やプレスのかけ方が当然ながら変わったために混乱して一方的に攻め込まれてしまいましたね。83分くらいにシステムを明確に5-3-2にしたのですが、前述の2度の被決定機はその後ですし。相手がそうやって攻めてきた時にいかにいなしながらボールを奪って自分達でボールを回す時間を増やすかが課題かな、と感じました。こちらが被決定機をひっくり返してカウンターを仕掛けた後CKとなりましたが、その時のプレーも中途半端でしたしね。この日のように1-0で際どい試合をモノにしていくにはまだまだ課題があるなと思いました。

 でもそのような悩みが出来てきたのも成長の明かしと言えるでしょう。少しずつながら下位から抜け出しつつあり、中位チームの背中も見えてきました。これまで同様着実に課題をクリアしてチームとして成長を続けてもらえれば、と思います。

 そんな明るさの見え始めたチーム状況ですが、今週は今週でしんどいです。明日(7/7)は盛岡で天皇杯のいわてグルージャ盛岡戦があり、終わったら静岡へ戻って、今度は7/11に徳島でのリーグ戦があります。リーグ戦の方が優先度は高いですが、かと言って相手は仙台を倒してますから舐めたメンバー構成で行ったらやられます。特にSBはエウシーニョが練習中に怪我をしてしまったために台所事情は苦しいです。そんな中でロティーナ監督がどのようなやり繰りをするか、注目したいですね。

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