完敗(5/15 名古屋戦)
昨日(5/15)はホーム・アイスタ日本平での名古屋戦でした。先週に続いて非常に良い天気で、富士山もはっきり見る事が出来ました。
試合の方も晴天といきたかったところでしたが、結果はご存じの通りで0-3の完敗。2位のチーム相手とはいえもう少し戦えると思っていたので、さすがにこれにはショックを受けまして、冷静になって試合を振り返るまで少々時間がかかりました。
<明治安田生命J1リーグ 於 IAIスタジアム日本平>
清水エスパルス 0ー3 名古屋グランパス
エスパルスのスタメンは、前節と基本的には同じ。ただクロス対応を考慮して鈴木義に代えてヴァウドをスタメンで起用。また攻撃陣では怪我が明けたカルリーニョスを西澤に代えてスタメン起用しました。リザーブには先日のエリートリーグで結果を残した滝と指宿が復帰しました。カルリーニョスのスタートポジションがどこになるかが注目ポイントだったのですが、左サイドハーフに入れてきました。
前節鹿島に完敗を喫した名古屋はその反省を受けて前半からアグレッシブにプレーしてきました。ただエスパの方もいつもの4-4のブロックを作ってはね返し、時にカルリーニョスの推進力を活かして攻め込むなど途中まではほぼ互角の展開でした。が、24分、右サイドでの直接FKから最後は柿谷に押し込まれ、先制を許します。これで勢い付いた名古屋は前線、中盤でのプレスがより厳しくなり、エスパは相手のアタッキングサードに攻め込む事すら出来なくなります。アディショナルタイムに入ってようやく2本惜しいシュートがありましたが、全体としては名古屋優勢で前半を折り返しました。
後半、仕切り直しを経てペースを握りたいエスパでしたが、後半の入りも名古屋の方が良く、50分、こちらの右サイドからマテウスが放ったボールがゴールに吸い込まれ、後半開始早々に2点差を付けられてしまいます。何とか反撃すべく交代カードを次々と切ったエスパでしたが、4-4のブロックをがっちり固めた名古屋を崩す事は出来ず、逆に焦りからか自分達の守備組織を次第におかしくしてしまっていくつか決定機を許し、89分には綺麗に崩された挙句にマテウスに2点目を決められてしまい、万事休す。0-3でエスパルスが敗れました。
まず、単純に名古屋が強かったです。個人で見てもチームで見ても明らかに上でした。そこに加えて前節の鹿島戦のショックを受けてネジを巻きなおしてこられたので、ちょっとまともに受けるのは厳しかったです。
ただ先制されるまではそこまで差があるとは思わなかったんですよね。シャビエルのクロスバー直撃のシュートはありましたがペナの中には入れさせてなかったし、逆に相手陣に攻め込む事も出来ていました。その流れを変えたのが先制点の場面で、本当にこれが痛かったし、改めて観ると本当に「安い失点」でした。あの失点は、マテウスからの低いボールをエウシーニョが処理しようとしたのですが、中谷を見ながらだったとは言え中へ返してしまったのがまず問題で、そのボールの目測を見誤って立田が後ろへすらしてしまったのが2つ目のミス。そして最大のミスはボールが逆サイドに流れかけた時に全員がボールウォッチャーになってしまって、一番危険な存在である柿谷をどフリーにしてしまった事です。ボールが入った時に柿谷を見ていたのは中山だったのですが、ボールが流れた時に柿谷を視線から外してしまって、背中越しに前に出た柿谷に全然気付いてないんですよね。DFの選手でないにしても軽率でした。以上、3つのミスが重なっての失点だったわけですが、こういうセットプレーでの安い失点は昨季から何度も見せられているわけで、何とかならないものかと思います。また2失点目も、確かにマテウスのボールは対応の難しい素晴らしいボールでしたが、そもそも何故あんなにフリーでボールを蹴られているのかというのが問題です。あの場面では試合途中から左サイドに入った唯人がマテウスを見ていたのですが、対応があまりにも軽いですよ。このプレーの5分後くらいに唯人は片山に代えられてますが、そりゃそうだろと思いました。この場面での唯人に限らず、相手のマークすべきプレーヤーに対してはもっと個人個人が厳し対応していかないと、と思いました。
そう思ったのは名古屋のウチに対する対応の仕方にあります。ウチが右サイド主体で攻撃してくるのを見越してきっちりと対応してきていました。右SBのエウシーニョにボールが入った時はまず相馬がチェックに行くとともに全体のブロックを右にスライドしてドリブルのコースを消し、その上でエウシーニョから中山へパスが入った時は後ろから吉田が厳しくチェックをかけて前を向かせず、河井や宮本がサポートしてきた時は稲垣、米本が同じく厳しくチェックをかけるとともに柿谷、シャビエルもプレスバックしてきて、こちらのストロングである右サイドからの組み立てを許しませんでした。こうなるとエスパとしてはサンタナに当てるか左から前に運ぶかしかないわけで、厳しいですよね。「だったらプレスをかけてカウンター主体にすればいい」と言われそうですが、この日に関してはプレスが機能してませんでした。いつもであれば相手最終ラインでボールを持った時は2トッププラス中山でけん制をかけ、SBにボールが入った時はこちらのSBが最終ラインから離れてプレスをかけるのですが、この日の相手の名古屋は両サイドハーフが強力な上にボールを握っている時はサイドの高い位置で張っていたから、こっちもSBを付けざるを得ず、結果としていくらサイドハーフがけん制をかけても結局SB経由でボールを前に出されてしまうので、なかなか前でボールを引っかけられませんでした。ただでさえチームの完成度が高い上にこちらの攻撃を消す対策を施されてしまってはどうしようもなかったな、というのが改めて振り返っての感想です。しょうもない失点もしてしまいましたしね。
という事で、横浜FC戦の時に書いた中で「左サイドでのビルドアップの形の確立」というのが改めて浮き彫りになったわけですが、打開策の1つはカルリーニョスだなというのが改めてわかりました。前述した通り先制されるまではカルリーニョスの推進力が活かされるシーンが数回ありました。彼は多少きつくこられても振り切れるだけの体幹の強さがありますからね。また前半最後の決定機は、カルリーニョスが左ハーフスペースでキープして、それを唯人がフォローして右から流れて来た中山に繋げてのものでした。こういうパターンや回数をより増やす事が出来れば、エウシーニョや河井の負担はある程度軽減できるし、その分決定機も増やす事が出来ると思います。そのためにも周りの、特に左SBと左ボランチがカルリーニョスをどうサポートするかがカギになるでしょう。
この日の結果と内容は非常に厳しいものでした。少なくとも僕の中の楽観的思考はかなり吹っ飛びました。が、改めて思い返した時に今後の打開策が全くなかったかと言われれば「No」なので、過剰に悲観的になってクラブや選手に過剰なプレッシャーをかけるのは禁物だと思います。今エスパでやっている事がロティーナ監督・イヴァンコーチが持っている引き出しの全てかと言われれば、これも明確に違うと思ってますしね。ただそういう戦術以前の問題として、この日は選手個々がデュエルやトランジションの所で負ける場面が多過ぎました。特に後半半ば以降がそんな感じでしたね。これもいつも書いてますけど、最終的に「際」のところで負けないのが大前提で、それが出来なければどんなに優れた戦術をもってしても勝てるわけないです。この「際」という言葉を使って指導された小林さんの下でプレーした選手はだいぶ少なくなりましたが、それでもこの言葉はクラブの中で伝承していって欲しいし、昨季途中から指揮をとった平岡さんが使っておられた「戦う集団」という言葉も同じ意味合いですので、そこは絶対に忘れないで欲しいです。
この後は2週続けて平日に試合が組まれています。次は5/19のルヴァン杯グループステージ最終節の横浜FM戦です。リーグ戦でなかなか結果が出ていない中でどうやり繰りするかが難しいですが、10年近くグループステージから先へ進む事が出来ていないエスパとしては非常に重要な試合なので、どんな形でも良いから先へ進む事が出来るよう全力を尽くして欲しいと思います。
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