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2021年4月 5日 (月)

中途半端(4/4 徳島戦)

 昨日(4/4)はホーム・アイスタ日本平での徳島戦でした。天気予報はあまり良くなかったものの試合開始3~40分前くらいまではもっていたので「このまま降らないでくれ」と思っていたのですが、願いは届かず雨の中での観戦となりました。

 公式戦2連勝して久々にホームに戻っての試合という事で、勝利を期待する向きは当然多かったと思いますが、0-3で完敗。点をとられまくった昨季ですら3点差をつけられて負けた事はなかったので、ショックを受けた方は多かったのではないかと思います。僕もその一人です。まあホームでやる試合ではなかったですね。

<明治安田生命J1リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 清水エスパルス 0ー3 徳島ヴォルティス

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 この日の基本システムは4-4-2。スタメンは仙台戦との比較で言うと、GKは権田が戻り、CBは立田に代えてヴァウドが復帰、中盤では宮本に代えて竹内が戻り、2トップは後藤とサンタナでした。

 前半途中までは拮抗した試合でした。エスパは4-4のブロックを築いて前の2人が相手の最終ラインをけん制し、サイドへ出たところへサイドハーフがチェックをかけ、それを戻したら2トップ+両サイドハーフがさらにプレスをかけるといういつもの守り方をとり、攻撃の局面ではCBの2人とボランチのどちらかが降りた方で前へ繋いでいく形でした。が、徳島もウチ以上の激しいプレスをかけ、最終ラインも高く保っていたので、なかなか徳島陣内に攻め込む事が出来ません。が、徳島もウチのブロックを崩せないまま時間が過ぎていったのですが、28分、エスパのプレスを上手くかわしていた徳島のGK上福元からセンターライン上にフィード。これを受けた徳島の選手が宮代に渡し、受けた宮代がエスパ陣ペナの前あたりまで持ち出してシュート。権田はいったんはね返しますが、そのボールが再び宮代に渡り、宮代が落ち着いて決めて徳島が先手を取ります。これで勢いの出た徳島は各選手がこちらのブロックの間へどんどん入り込んでボールを受け、またフリーの選手へ渡してエスパゴール前に攻め込むという展開。エスパはポジション取りで完全に後手に回って攻める事すらままならない状態。40分くらいからようやく徳島を押し込むようになりましたが2度ほどチャンスを作ったにとどまり、0-1で前半を折り返しました。

 後半攻勢に出るべく開始から交代カードを3枚切ったエスパでしたが、48分、左サイドのカウンターからのクロスを鈴木義がカットしましたが、これをハンドと判定され、長いVARチェックの結果PKとなります。岩尾がこれを決めて0-2。これでさらに苦しくなったエスパは早く1点返そうと必死に攻め込みますが、徳島の堅い守備ブロックを崩す事が出来ず、逆にアディショナルタイムに横パスをカットされてからのカウンターから垣田に見事なヘディングシュートを決められてしまい、今季初めて3失点を献上しての完敗となりました。

 まず徳島が素晴らしかったです。繋ぎの場面でのポジショニングの巧みさはまさに今季のウチがやろうとしているもので、それを完璧にやられてしまいました。加えて前線からの激しいプレスとそれに呼応した最終ラインの高さ、際のところでの激しさなど見習うべきところがたくさんありました。これに追いつくのはなかなか大変そうですが、頑張って追いつかないといけないと感じました。

 ただ失点するまでは悪くなかったんですよね。相手の最終ラインにけん制をかけながら4-4のブロックを保って中へは入れさせず、ボールは握られてはいましたが、シュートは打たせていませんでした。が、あの先制点を境に流れが大きく変わってしまいました。あの時、徳島GKの上福元とDFで回していたのに対してサンタナと後藤がチェックにいけるよう高い位置をとっていて、その分中盤、特にサイドハーフが高い位置をとっていたと思うんですよね。そのために中盤に広いスペースが出来てしまっていた。ここのケアが完全に抜けていたのに加え、上福元が蹴る時にこちらの最終ラインも徳島のトップの動きにつられた感じで下がっちゃったんですよね。そのために宮代に広大なスペースを与えてしまい、シュートまで持ち込まれてしまった。この時最終ラインがセンターラインで下がらずに我慢出来ればという反省点が1つと、中盤のラインが後ろをケア出来ていなかったという反省点が1つ。さらに後藤とサンタナもちょっとの間上福元とにらめっこするような感じになったのですが、プレスに行くなら行く、下がるなら下がるというようにどちらかを選択すべきだったと思うのですが、本当に中途半端なポジション取りになってしまった。以上3つも拙い点が重なって失点につながってしまいました。特にゾーンディフェンスなのに最終ラインと中盤の間に大きなスペースを与えてしまったのは致命傷だったと思います。その後の時間帯は、徳島の方は「あれ、中間ポジション楽に取れるんじゃね?」と気が付いたのかどんどんこちらの最終ラインと中盤の間を入ってきて、それに対してエスパの方は行くべきか、下がるべきかの意識がバラバラになってしまって、簡単にスペースを空けるようになってしまいました。失点時の最終ライン、中盤、前線のポジショニングが全部中途半端だった事が大きな報いとなって試合の流れを悪い方向にもっていってしまいましたね。

 という事で、守備面での反省点は最終ライン、中盤、前線のすべてにそれぞれあるという感じなのですが、そもそも徳島相手にあそこまでプレスにいかなくても良かったような気もしています。徳島は攻撃時は必ず後ろを3枚にしてGKも加わってビルドアップしますから、どうしても数的に不利です。それなら前線はけん制だけにして4-4のブロックによってはね返す形で徹底した方が良かったのではないかと。プレスにいくなら徳島くらいガツガツいってかつ中盤、最終ラインもそれに応じてポジションを高くする事を徹底しないと。その意味でこの日のエスパの守備は本当に中途半端だったように思います。

 攻撃に関しては、課題はこれまでと同じですね。相手のプレスからどうボールを逃がして前進させるかというのがまだ全然整備できてないです。何とかSBへはボールが入ってもそこからボールを出せずに下げさせられるシーンが多すぎました。ボランチやサイドハーフがSBの内側のレーンにフォローしようという動きは時々入るんですけど、まだ全然スムーズではないですね。あと徳島が最終ラインを高くしていたので、それを下げさせるべく2トップをウラへ走らせて長いボールを入れる場面が殆どなかったのも気になりました。前半最初の数本くらいですよね。それ以降は深さを取るための工夫が全然ないから、サンタナへボールが渡っても数人で囲まれて奪われる事の繰り返しでした。まあ攻撃の構築は時間がかかるんですけど、その片鱗がなかなか見えてこないのは苦しいですね。

 という感じで、先制されてからはなかなか狙った形が作れず、選手交代によって打開しようとした矢先にPKをとられてしまい、その後は個人が頑張るばかりでチームとしては全く機能していないという酷い試合となってしまいました。「良い調子で来たので、ここでホームでも初勝利をあげて勢いに乗ろう」と思っていたところでの完敗なので、選手としてはショックの大きな試合だったと思います。ただ過ぎてしまった事はしょうがないので、まず気持ちを切り替えて選手間の意思統一をもう一度図って欲しいと思います。

 なおPKの場面はこの感想を書く前に映像で確認しましたが、ちょっと厳しい判定のように思いました。鈴木義は腕を引っ込めようとしていたのが間に合わなかった感じでしたからね。ただハンドに関してはここ数年でルールが変わったと記憶していて、その分レフェリーによって解釈が違ってしまっているように思います。確かイングランドでも昨季今季とハンドの判定が物議をかもしたように記憶していますので、不運だったと思わざるを得ないかなと思っています。

 次は明後日(4/7)、ホーム・アイスタ日本平に浦和を迎えての試合です。中2日というタイトな日程の上、浦和の監督が昨季まで徳島を率いて2度目のJ1昇格へ導いたリカルド ロドリゲスという事で、非常に良くないタイミングでの対戦となります。ただ悪いムードを断ち切るには試合で勝つのが一番なので、準備期間はないですが気持ちを切り替えて戦って欲しいと思います。

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