前半は死んでいた試合(3/17 広島戦)
昨日(3/17)はアウェイでの広島戦でした。2週間前のルヴァン杯でも同じ場所でも対戦したので、正直「またか」という感じはしました。一方で平日で清水からは遠い広島での試合にも関わらず多くのエスパサポが訪れていました。現地観戦された皆様、お疲れさまでした。
試合は0-1で敗戦。しかも決定機と呼べるものはない残念な試合となってしまいました。ただウチは中2日での試合なので1日程度しかこの試合に向けた練習は出来なかったと思います。それに攻撃面の落とし込みには時間がかかるので、このような内容になってしまったのは致し方ないですかね。
と、試合終了直後は思っていましたが、前半だけ見直すと印象が変わりました。
<明治安田生命J1リーグ 於 エディオンスタジアム広島>
清水エスパルス 0ー1 サンフレッチェ広島
前節3バックで戦ったエスパルスでしたが、今節は4バックに戻しました。ただ疲労を考慮してかスタメンは思ったよりも入れ替えてきました。CBはヴァウドに代えて福森をCBに起用し、立田を右SB、原を左SBに入れました。また中盤のインサイドハーフに河井に代えて竹内を起用し、さらに左サイドハーフに唯人を入れてカルリーニョスをサブにしました。
試合の立ち上がりはお互い様子見をする形となりましたが、次第に広島が中盤、前線でのプレスをかけてきて、奪ったボールを細かく繋ぎながらエスパを押し込む展開が続きました。エスパも堅いブロックを築いて幾度もはね返しますが、この日はビルドアップが思うように出来ず、ボールホルダーが迷っているうちに詰められてボールを失う場面が多く、相手陣へ攻め込む事すら出来ない時間帯が続きました。結局前半は広島が65%のボール支配率が示すように優位に試合を進めましたが、権田の2度の好セーブもあってスコアレスで折り返しました。
後半はポジション取りを修正したエスパが攻撃のリズムを取り戻し、互角の展開に持ち込みました。53分という早いタイミングで河井とカルリーニョスを入れてさらに攻撃のギアを上げようとしたエスパでしたが、58分、CKのボールをファーで折り返され最後は荒木にボールを押し込まれて、先制を許しました。その後は広島がきっちりと自陣でブロックを固めてきて、それに対してディサロ、西澤を入れて攻撃の圧力を強めようとしましたが、広島のブロックを崩すには至らず、そのまま0-1で敗れました。
負けてしまいましたが、守備に関してはまずまず機能していたと思います。ボールの位置によって4-3-3、4-4-2、4-5-1とシステムを変えてブロックを作り、ボールが後ろにある時はプレスをかけていくという守り方が、スタメンが3人変わったにも関わらず出来ていました。特に前述の通り最終ラインのメンバーが変わったにも関わらずまずまずの出来だった事は評価できると思います。ただ右SBの立田に関しては、前半の広島の4本の危ないシュートのうち2本に関わってしまったのが課題ですかね。そのうちの1本は不用意に前へ出て後ろに流れた浅野にパスを通されてしまっているので、そこは見直して欲しいところです。それと前半で一番危なかった浅野のヒールでのシュートの場面は、真ん中の中間ポジションに森島に入られてるんですよね。パスを受けられてしまうのは致し方ないですけど、さらに広島から見て右のスペースに出されてしまっているのを何とか防ぎたかったなという気がします。失点の場面はもちろんの事、こういったディテールの部分も詰める必要があるでしょう。
ただこの日の敗因は特に前半攻撃が機能しなかった事にあります。その要因は、いるべき位置にいなかったとかやるべき動きをしなかったとかいうような戦術上基本的な部分が出来てなかった事にあるように見えました。前半だけもう1度見直したのですが、悪目立ちしていたのは唯人ですね。左サイドハーフなので本来は左SBの原か唯人のどちらかが幅を取るべくサイドに張って、相手の状況やボールの位置に応じてポジションを入れ替えないといけないはずなのですが、唯人はサイドより1つ内側のレーンにずっととどまっているため原も左サイドに固定された形となり、さらに本来は両サイドに顔を出してビルドアップをサポートする後藤も左にスペースがないので右のレーンにとどまらざるを得ない状態。おまけに本来左にボールがある時は左に寄ってアンカーをサポートするはずの立田もずっと右サイドにいるから、結果的に右サイドが混雑しちゃって狙われてしまう事となりました。こうして本来なら流動的にポジションを動かして相手のプレスを外すはずがポジションを固定した形になってしまったために広島のプレスの餌食になってしまったというのが前半の攻撃の停滞の原因だと思います。リアルタイムでの観戦後は「まだまだ道のりは遠いなぁ」と思いましたが、見返してみて「やるべき事をやってなかったからじゃねーか」と怒りが湧きました。
見直している途中は「何か狙いがあったのかな」とも思いましたが、試合後のロティーナ監督のコメントを読む限り違うと思います。実際、後半開始直後に左のハーフスペースのレーンに後藤が顔を出して唯人に繋げ、唯人のサイド突破からCKを貰うというチャンスを作っています。その後後藤は右の方にも顔を出して中山をサポートしていましたし、立田も真ん中寄りでサポートするポジションを取っていました。これが開幕戦でエスパルスが見せた攻撃の形であり、これをイーブンの状態で十数分しか見せられなかったのは残念です。この辺がイチからチームを作り直しているエスパの弱みですね。開幕してからまだ1か月もたっていませんから。だから今の時期は選手によって戦術理解度に差が出るのは致し方ないとは思います。ただ選手個人が戦術理解度の部分で弱みを見せたら監督としては使いずらくなるし、結果的に自分の収入に反映してしまう事になります。その事を名前をあげた唯人と立田、それと唯人につられてしまった後藤は自覚して欲しいです。もちろんこれはこの日リザーブにも入れなかった選手達にも当てはまります。試合に出るためには最低限監督から求められるポジション毎の役割を理解し、それを遂行できる事を見せなくてはなりません。その上で自分の能力を見せる事が必要なので、それを肝に銘じて日頃の練習に取り組んで欲しいと思います。
次は中3日でアウェイでの柏戦です。柏は連敗中のようですが、その相手が現在のリーグ戦上位4チームなので、舐めてかかるとえらい目に合うでしょう。何せ監督は策士のネルシーニョですから。まあそれ以前にまずは自分達のサッカーを思い出す事が大事だと思うので、今度は開始からエスパルスが本来やりたいサッカーをやって欲しいと思います。
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