« 2021年シーズンプレビューのようなもの 後編 | トップページ | カップ戦アウェー初戦は鬼門(3/3 ルヴァン杯広島戦) »

2021年2月28日 (日)

6年ぶりの開幕戦勝利(2/27 鹿島戦)

 いよいよ待ちに待ったJリーグが開幕。エスパルスは昨日(2/27)アウェーで鹿島と対戦しました。

 カシマスタジアムは凄く良いスタジアムなのですが、いかんせん僕の感覚からするとアイスタよりも遠くて、しかも武漢ウイルス(新型コロナ禍)の影響でアウェーサポ用の席が販売されなかったので、自宅でDAZNで観戦しました。

 ただでさえ鹿島とはここ数年相性が悪い上に、エスパは2015年以来開幕戦を勝てていませんでした。このため「まあドローならOKだろ」と思って観ていました。ところが75分に先制されながらそれをあっという間にひっくり返しての逆転勝利。6年ぶりの開幕戦勝利となりました。試合終了のホイッスルが鳴って静まり返ったスタジアムの中でエスパの選手、監督、スタッフだけが喜んでいる姿を観るのは、ぶっちゃけて言うとメチャクチャ気持ち良かったです。

<明治安田生命J1リーグ 於 県立カシマサッカースタジアム>

 清水エスパルス 3ー1 鹿島アントラーズ

 ロティーナ監督体制の初戦でしかも新加入選手が7人スタメンに名を連ねたという事で、どこまで新しい戦術が浸透しているのか心配だったのですが、早くもロティーナ監督のサッカーが浸透していてしかも結果も出てしまったので、驚いたというのが正直な感想です。

 前半の飲水タイムまではお互い様子を見たというかジャブを打ち合っていた感じでした。鹿島はいつも通り前からプレスをかけ、奪ったボールはあまり手数をかけずにウラを狙ってウチの様子を見るという感じで、エスパも今季からは繋ぎではリスクを冒さない戦術なので、プレスをよけながらサイドで繋いで前を運ぼうとしましたが、どちらも殆どチャンスを作れない状態でした。が、飲水タイム明けにエヴェラウドのヘッドを権田がファインセーブで防いだあたりから鹿島がペースを握り始めます。ただエスパの守備陣も落ち着いて対応してそれ以外に鹿島を決定機を作らせず、逆にセンターライン付近で慶太がプレスでボールを奪ってからのカウンターで決定機を作るなどして譲りません。我慢比べの前半はスコアレスとなり、後半へ折り返しました。

 後半も前半と同じく鹿島がボールを握って押し込み、エスパは我慢強く守ってカウンターを狙う展開でした。エスパは55分頃の土居のバー直撃のシュート以外は鹿島に決定機を与えずに我慢強く戦っていたのですが、75分、CKからのこぼれ球を荒木に決められてしまい、先制を許します。完全な鹿島の勝ちパターンでしたが、失点後のキックオフのボールを一度も外に出す事なく丹念に繋ぎ、最後はチアゴ サンタナが技ありのシュートを決めて、あっという間にエスパが同点に追いつきます。これで焦ったのか鹿島ベンチはボランチに白崎を投入して勝ち越しを狙おうとしますが、83分、自陣で鹿島のクサビのボールをカットした竹内から右へ展開し、原、後藤、中山で落ち着かせた後左サイドに張っていたカルリーニョスへパス。カルリーニョスが相手の町田と永戸の間のスペースへ正確なクロスを送ると、そのスペースへ飛び込んだ後藤がヘッドで決めて、エスパルスが逆転に成功します。さらに焦る鹿島は攻勢をかけるべく三枚替えをしてきましたが、その直後のCKでニアに飛び込んだ原の動きが混乱を誘ってオウンゴールを誘発。エスパルスが見事な逆転勝利を飾りました。

 何よりも昨季とは見違えるような堅い守備組織で鹿島との我慢比べを耐え抜いた事が1つ目の勝因だと思います。基本システムは4-4-1-1ながら自陣でブロックを作る時は2nd Topのディサロ(交代後は後藤)が竹内の横まで下がって4-5-1のブロックを築いて真ん中を固めた上で相手のボランチにプレッシャーをかけ、鹿島に自由なパス交換を許しませんでした。そうやってボールをサイドへ追いやった上で単純なクロスはヴァウドと鈴木義がはね返し、相手がサイドへ人数をかけてきてもこちらのSBとサイドハーフが対応してサイドを崩させませんでした。鹿島とすればエスパのブロックの周りでパス交換するだけの状態だったので、さぞやりにくかったろうと思います。選手一人一人が周りの味方との距離を確認しながらポジションを調整していっていたのも見てとれたし、このブロックをスタンドから観たらさらに面白いだろうなと思うので、生で観られる日が楽しみです。

 一方で攻撃に関しては、初見の時は押し込まれていた事もあって「ここは課題ありだな」と思っていたのですが、見返すと興味深いエッセンスがあちこちに見られました。ボールを最終ラインで持った時は、ボランチのどちらかが落ちるのではなく原以外の3人でボールを回し、それで数的優位を作ってプレスを外しにいく。ボランチの慶太は左サイドより1つ真ん中寄りのレーンまで寄ってカルリーニョスとパス交換してタメを作る。竹内が真ん中でアンカー役になって慶太らが左サイドでタメたボールを右に展開して、最後は右サイドに張った中山に勝負させる。基本的な攻撃パターンはこんな感じで、2nd Topのディサロ、後藤はあちこちに顔を出して潤滑油的な役割を果たす。で、この時右SBの原がどこにいるかというと、竹内の右横の偽SB的な位置。おそらく基本はボールロストしてカウンターを仕掛けられた時に備えてのものじゃないかなと思います。以上が攻撃時の基本的なポジションなのですが、サイドのカルリーニョス、中山は常にサイドに張っているわけではなく内側のレーンにカットインする事もあるわけで、その時は慶太や原は入れ替わりに外側のレーンにポジションを取る。1得点目、慶太に代わって入った河井が左サイドに流れたのはその約束事に従ってのもので、他の選手達も5つのレーンを意識しながらポジションをとるので、昨季の平岡さんの時みたいにポジションが重なる事が殆どなかったと思います。開幕初戦からそうしたポジショナルプレーに基付くプレーが随所に見られたのは嬉しい驚きです。

 勝ち越しゴールのポジション取りも秀逸でしたね。河井はカルリーニョスにボールを預けた後、いわゆるハーフスペースの位置に走り込む事で犬飼の注意をひき、カルリーニョスが蹴ろうとした時にサンタナはニアに動き出す事で町田を左に引き寄せた。左SBの永戸は中山がペナの中にいたのでそちらに注意がいっている。そうやって生まれた町田と永戸の間のスペースに後藤が走り込んだわけです。これは練習からやっている形でしょう。まあ後藤を見るべきボランチが永木から白崎に代わっていたという幸運もありましたけどね。

 守備が良くなったといってもポストやバーに助けられた場面が3度あったわけだし、攻撃もまだまだ改善が必要だとは思います。ただチーム始動からわずか1か月でこれだけロティーナ監督・イヴァンヘッドコーチの色が強く出たチームが見られるとは思わなかったし、選手一人一人が与えられたタスクを90分やり通した事も含めて脱帽するしかありません。何よりも、今回も長文になってしまいましたが、これからもブログに書きたくなるようなネタがどんどん出てくるであろう事を考えると、本当にこれからが楽しみです。

 次のリーグ戦は土曜に福岡をアイスタ日本平に迎えてのホーム開幕戦ですが、その前の水曜(3/3)にルヴァン杯のグループリーグ初戦が行われます。この日はベンチ外となった昨季の主力の立田、西澤はアピールしたくても燃えているでしょうし、他にもウズウズしている選手は大勢いるでしょう。アウェイでの広島戦というあまり良い思い出のない場所ですが、どのような仕込みがされてどのように選手達が戦うのか、楽しみです。

※ブログランキング参加中です。

にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 

|

« 2021年シーズンプレビューのようなもの 後編 | トップページ | カップ戦アウェー初戦は鬼門(3/3 ルヴァン杯広島戦) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 2021年シーズンプレビューのようなもの 後編 | トップページ | カップ戦アウェー初戦は鬼門(3/3 ルヴァン杯広島戦) »