今季のエスパルスのサッカーを想像してみる その3
2/1に書いた今季のエスパルスの守備面の予想される特徴についての記事の時に「今度は攻撃面の話を」と書いたのですが、そこからだいぶたってしまいました。チームは既にキャンプから帰静して三保での最終調整に移っていますが、キャンプではクラブが毎日選手とのリモート会見を行ってくれて、その中でいくつか関係のありそうなキーワードを発してくれています。そこから今季のエスパルスの攻撃面での特徴を予想してみようかなと思います。
といっても、ロティーナ氏が過去日本で指揮したチームの特徴から、ポジション取りを強くポジショナルプレーに基付く戦い方を志向してくるのは確実だろうと思います。選手の発言からポジションを意識させているのがわかりますし、その一環としてグラウンドに線を4本書いて5レーンを強く意識させる練習もしているようです。
ではポジショナルプレーとは何なのか。それについてわかりやすく説明した動画があったので、以下にリンクを載せます。
5レーン理論、ポジショナルプレーを説明してみた!!(サッカー塾@寺子屋ch)
ポジショナルプレーという言葉が出始めたのは、ペップ グアルディオラがバイエルン ミュンヘンを指揮し始めた頃からかなと思います。ペップはこの考え方に基付いてバイエルンをさらに強くし、イングランドではマンチェスター シティをBIG6の中でもリバプールと並ぶ図抜けた力を持つチームに育て上げました。Jリーグだとシティの直系である横浜FMが2019年にリーグ優勝を果たしていますし、他にも鳥栖とか横浜FCあたりがポジショナルプレーを意識させたサッカーをしていると思います。徳島からリカルド ロドリゲス監督を引き抜いた浦和も今季は間違いなくこれを意識したサッカーをするでしょうね。
このポジショナルプレーがどういうものかについての基本的な説明はリンク先の動画を見ていただければと思いますが、もう1つ紹介したいのが仙台の元監督で今季から山口を指揮する渡邊晋さんが著書「ポジショナルフットボール実践論」の中で書かれている渡邊さんが選手達に要求した言葉です。それは「相手の守備者2人以上を困らせるポジションをとれ」です。例えばCBとSBの間とか2人のCBの間とかですよね。やはりそういったところに立たれると、いざボールが入ってきた時にCBとSBのどちらがチェックにいくか迷うわけです。それでどちらもチェックに来なかったらそのまま前を向いて仕掛ける事が出来るし、どちらかがチェックに来たらその分どこかにスペースが出来るのでそこを他の味方が突く事が出来る。そうしたゾーンをあちこちに作る事で相手の守備陣形を崩していくのがポジショナルプレーでの攻撃の仕方になります。この言葉はポジショナルプレーの狙いを伝える上で凄くわかりやすいなぁとこの本を読んだ時に思いました。
ではピッチ上で実際に展開されるサッカーはどのようになるのかと問われると、ピッチ全体で幅を取りながら近すぎず遠すぎずという距離で選手がポジションをとる事になるので、イメージ的には昨季クラモフスキー元監督が4-3-3でやった時のサッカーに近いものになるんじゃないかなと思います。まあ昨季のC大阪を見ればわかる通りロングフィードを使わないという事はないでしょうが、選手がポジションを変える事で相手の陣形を動かして最終的に穴を作りそこを突いて得点を狙うという部分はたぶん同じではないかと思います。まあ源流となるサッカーは同じなので当たり前かもしれないですけどね。
で、静岡ローカルで放送されているスポーツパラダイスでのエスパルスのキャンプレポートをTwitterであげて下さったので見る事が出来たのですが、かねてからの報道などにあった通り攻撃面の指導はイヴァン パランコヘッドコーチが中心になって行っているとの事。既に最終ラインからのビルドアップの方法を練習の中で仕込んでいる模様です。彼はカタルーニャの出身で、コーチになった後1年間ヨハン クライフに師事しています。クライフといえば選手としても監督としても成功を収め、監督としては80年代後半から90年代前半にかけて指揮したバルセロナにおいて現在まで続くバルサのサッカーの原型を作り上げた方です。そのクライフの薫陶を受けたイヴァンヘッドコーチと長年スペインで指導者として揉まれてきたロティーナ監督の指導の下でエスパルスがどのようなサッカーを見せてくれるのか。2週間後が楽しみです。
※ブログランキング参加中です。
| 固定リンク
コメント