ナイスゲーム(12/5 川崎戦)
昨日(12/5)はホーム・アイスタ日本平での川崎戦でした。
この試合、川崎にとっては今季のJ1優勝を決めてから初めての試合でした。これを受けて平岡監督の発案により、選手入場の際にエスパルスの選手達が花道を作って川崎の選手達を祝福する「ガード オブ オナー」というセレモニーが行われました。イングランドで行われているもので、スペインでも「パシージョ」という名前で行われているのですが、Jリーグでは初めてだそうで、これには「あ、初めてだったんだ」とちょっとビックリしました。まあネガティブな反応もあるみたいですけど、僕はこれを発案し実現した平岡監督や我らがクラブを誇らしく思っています。
<明治安田生命J1リーグ 於 IAIスタジアム日本平>
清水エスパルス 2ー2 湘南ベルマーレ
J史上最速で優勝を決め、今季の2試合で計10失点を食らった川崎が相手という事で平岡監督以下きっちり対策を立てて臨んだと思いますが、前半はそれがほぼ狙い通りいったと思います。2トップが前へのパスコースを消しさらにボランチとの計4人で相手の3センターをきっちりとケア。サイドもSBとサイドハーフが相手のSBとウイングをケアしボランチと2トップのどちらかも寄せる事で容易に前進を許さず、それにより相手がボールを下げたら2トップとサイドハーフ、時にはボランチが猛然とプレスをかけてミスを誘う。基本的には平岡監督就任後にやって来た守り方ですが、それをより徹底させてきました。それでも5分には三苫の突破から決定機を作られましたが、大久保のグッドセーブで凌ぐと、11分、狙い通りに中盤でボールを奪ってのカウンターから最後はカルリーニョスが決めてエスパが先行します。21分にレアンドロ ダミアンとのワンツーから田中に決められ、その後も左サイドを中心に危ない場面を作られましたが、エスパも怯む事なく反撃し、ボールがもう少しでゴールに入りそうなところをクリアされるというチャンスを2度作ります。そして40分、右からの直接FKのこぼれ球をヘナトが持ち出してグラウンダーのシュート。これもかき出されてしまいますがその前にボールがゴールラインを割ったという事で得点となり、エスパがリードして前半を折り返しました。
後半、鬼木監督に気合を入れられたのか、川崎が前への圧力を増してきましたが、エスパも前半同様怯む事はなく西澤のクロスバー直撃のシュートなどで川崎のゴールを脅かします。が、58分くらいに川崎が中村憲剛と小林を入れてきて、これに対してエスパが65分くらいにカルリーニョスが負傷で交替したあたりからエスパが自陣に押し込まれる時間が増えていきます。それでも時には西澤を中心にして反撃する場面もあったのですが、川崎が77分に家長に替えて斎藤学を投入。これが今思えばとどめとなってしまいましたね。これによって左ウイングだった三苫が右に回って両ウイングに一人で局面を打開できる選手となり、さらにインタビューでも言っていましたが右SBの山根が三苫を活かすべく中へポジションをとるようになったため、エスパの左サイドは混乱して思うように相手を捕まえられなくなりました。エスパも中盤の強度を維持すべくボランチを2人とも入れ替えて対応しましたが、89分にわずかなスペースに山根に入られて同点にされてしまいました。この場面はGKの大久保のフィードミスから始まっているので大久保を責める声が結構あるのですが、ミスからボールロストした流れで一気に持っていかれたわけではなくいったんは押し返しているので、大久保のせいとは言い切れないと思います。むしろいったん攻め込まれた時に前述の山根も前線に来ていて、こちらがはね返した後も残っていたのを全く捕まえていなかったのが1つ目のミス。そして解説の水沼さんが仰っていたのですが、斎藤学がこちらの左サイドに流れてボールをキープした時にエスパの選手が4人くらいで囲んでいたのに誰もチャレンジにいかなったのが2つ目のミス。この2つのミスが響いたと思います。その後のアディショナルタイムもかなり川崎に押し込まれましたが何とか凌いで、結局2-2のドローで終わりました。
まず川崎が強かったです。攻撃もさる事ながら守備時の寄せが他のチームと比べてかなり強く、試合終盤になっても強度が落ちませんでした。さらに途中から出てくる選手が中村憲剛、小林、斎藤学、山村とみんな代表クラスもしくは年代別代表で主力を担った選手というのは反則です。選手層が違いすぎました。ウチも最後まで良く頑張ったと思いますが、最後の方は何とかボールを前に運んでも疲れからかミスが出てシュートまでなかなか持っていけなくなってしまいました。もしカルリーニョスが最後の方まで残っていればもう少し前でボールをキープする事が出来、その分スタミナを維持出来たかもしれません。その意味では選手層に差がありましたね。特に残り10分のところはかなりボールを握られて左右から揺さぶられてしまったし、そうなるとどうしてもどこかで綻びが出てしまいます。その意味では川崎相手であってももう少しボールを握る時間を増やさないとなかなか上位にはいけないのかなとは感じました。
とはいえ、現時点で出来る事はほぼ全てやったのではないかと思います。これまでのやり方である全体をコンパクトに保ち前からパスコースを限定し誘い込んでボールを奪い、カウンターを狙っていく。このあたりは平岡監督就任後やり続けてきた事です。一方攻撃については、基本的には早めにボールを運ぶ事を意識しつつ、ダメなら最終ラインかボランチに戻して後ろからじっくり繋いで崩していく。これはクラモフスキー前監督が仕込んできた最終ラインから繋いで崩すやり方に平岡監督がアレンジを加えた格好ですが、この日「良くなった」と思ったのは中に入ってからの崩しですね。昨季あたりからサイドの選手が安易に中へカットインしてくるのが気に入らなくてこのブログでも再三指摘してきました。特にその際の標的になったのがエウシーニョだったのですが、この日はサイドの選手が中へ入った時に連動してカルリーニョスや後藤が細かく動きなおす事で相手の陣形を乱れさせる形が見られ、それが例えば前半の金子のターンからあわやオウンゴールとなるシーンに繋がりました。前節の湘南戦ではこじ開けられませんでしたが、この日それがある程度通用したあたりはチームとして進歩しているといえるでしょう。平岡監督が就任してから、守備ではきっちりした約束事を作って選手がそれを遂行し、攻撃では今季初めから志向して積み上げてきた繋いで攻める力を活かしながらそれに前へのスピードを加える事で勝ち点を積み上げてきましたが、これまでの優勝チームの中でも最強の1つと評されている川崎相手にそのやり方でぶつかって、もう少しで勝ち点3を奪えそうなところまで戦えたというのは、自信に思っていいと思います。「ウチのチームも捨てたもんじゃない」と思えた試合でした。
次はアウェーで鹿島戦。これまたきつい相手との対戦ですが、この日掴んだ自信を胸にして戦えば良い戦いが出来ると思います。もう残り3試合ですから、今季の総決算のつもりで1試合1試合大事に戦って欲しいです。
最後になりますが、試合後に今季限りでの引退を表明している中村憲剛選手がホーム側の方まで挨拶に来てくれました。最初は座って拍手していたのですが、「いや、これは失礼だ」と思い直して立ち上がって拍手を贈りました。試合前のガード オブ オナーに続いて試合後にFootballの良いところを味わえたのは嬉しかったし、挨拶に来てくれた中村憲剛選手の今後のご活躍を心からお祈りしたいです。(なお写真は拍手を贈るのに夢中になってしまって忘れましたw。)
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