クラモフスキー監督契約解除
11/1、エスパルスから以下の発表がなされました。
ピーター クラモフスキー監督 契約解除のお知らせ(クラブ公式)
上記リンクにある通り、クラモフスキー監督との契約解除が発表されました。監督が呼んだ今矢コーチと安野フィジカルコーチも同じく契約解除となりました。後任には今季からトップチームコーチに就任した平岡さんが就任されます。契約期間は今季いっぱいの模様です。
本ブログでは鳥栖戦の所感の中で「クラモフスキー監督は今季限りにせざるを得ない」とのコメントを書きました。ですので、この決定自体に異論はありません。時期的にどうなの?という想いはありますけどね。
クラモフスキー監督は昨季J1を制した横浜FMでポステコグルー監督の下でヘッドコーチを務めたという実績を引っ下げて就任しました。就任直後に「タイトルを取る」と明言し、練習では極力ボールを使って戦術的要素をメニューに盛り込んで選手達に落とし込んでいくという先端の理論に基付く内容を導入しました。その内容はテセをして「キツい」と言わせる高負荷のものでしたが、それ以上に「これを習得したら強くなれる」と信じさせるものだったようでした。実際、公式戦緒戦のルヴァン杯こそ川崎相手に大敗しましたが、リーグ戦のF東戦では最後に逆転を許したものの内容的には大きな希望を感じさせるもので、「これは面白くなる」と思いました。
が、不運にも新型コロナウィルスの影響でリーグ戦は約4か月中断し、トップチームの練習も一時中断しなくてはならなくなりました。7月に再開したものの緒戦で敗れてしまって連敗が続き、8月に一時持ち直したもののけが人が相次いだ9月からは再び低迷し、リーグ戦ではクラブワーストの7連敗がを1度、5連敗を2度喫してしまい、失点数は54で文句なしのリーグワースト。さすがにこれではクラブもかばいきれなかったという事でしょう。明確な戦術とビジョンを持ち、常にポジティブな言葉で選手やサポーターに接する人格者ではありましたが、やはりクラブチームでの監督経験がない事からくる経験不足と引き出しの少なさはいかんともしがたいものがあったので、こういう形で終わったのは残念ですが致し方ないと思います。
しかしながら今季の低迷の原因をクラモフスキー監督1人に負わせるのはフェアではないでしょう。大熊GMがリモートでの会見で「素晴らしい戦術を持っていたが個人技術がついていかず相手にも研究されてしまった」と述べたと報道していたようですが、それは事実だと思います。クラモフスキー監督にしてみたら例えば「好守においてデュエルで負けないなんてフットボールで当たり前やろ!」的な言い訳をしたい思いもあったのではないでしょうか。選手によって戦術理解度に差があったようにも見えましたしね。またこの発言のウラには「クラブが監督のオーダーに合った選手を揃えられなかった」という意味も含んでいると思います。さらには新型コロナの影響で入場料収入は大幅に減少するでしょうし、そうした状況下ではトップチーム強化の方針を軌道修正せざるを得なかったのだと思います。
その意味で今季の低迷は、監督、コーチ、選手、クラブ強化担当者などといったエスパルスに関わる全ての人間の責任だと思います。それはサポーターも同罪でしょう。この事は自覚しなければならないと思います。
今後についてですが、まだリーグ戦は9試合残っています。火中の栗を拾った格好の平岡新監督ですが、「こういうサッカーをやりたい」という想いやイメージは当然あると思います。しかし今回はあえてそれを抑えて、これまで培ってきたサッカーを継続させる方向で指導して頂きたいと思います。もったいないですからね。また来季の監督の人選については既に強化部は動いていると思いますが、個人的にはせっかく昨季後半の日本式ガラパゴスサッカーからの脱却を図るべくこれまでチームを作ってきたわけですから、今季と同じくポジショナルプレー等現在のヨーロッパの潮流を取り入れる事の出来る方を引っ張ってきて欲しいと思います。せっかくアカデミーではヘッドオブコーチングの森岡さんの下でアカデミー全体の指導指針となるアカデミーフィロソフィーがまとめられ、その中には現代サッカーの要素がかなり盛り込まれているみたいですからね。
具体的な名前となると、昨季まで仙台で監督を務めた渡邊晋さんくらいしか思い浮かばない状態ではあります。ただ、これは凄く失礼な言い方ですが、東京Vでも監督としてUEFA CLに出場した経験を持つロティーナ氏を招へいできたわけだし、そのロティーナ氏をC大阪に引っ張ったのが今季からエスパのGMに就任した大熊さんですから、そこは期待したいところです。
まあ現段階で来季の監督の話をするのは平岡新監督に失礼ですね。明後日の神戸戦は僕もアイスタでサポートします。
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