« またか(10/14 FC東京戦) | トップページ | 今季初のスコアレスドロー(10/31 柏戦) »

2020年10月19日 (月)

富士山は美しかった(10/18 鳥栖戦)

 昨日(10/18)はホーム・アイスタ日本平での鳥栖戦でした。木曜くらいに見た週間予報ではあまり良い天気ではなさそうだったのですが、当日は雲1つないというほどではなかったものの雨が降る気配はなく、気温は暑くもなく寒くもないという感じで、おまけにアイスタから富士山がはっきり見えて、絶好の観戦日和での試合となりました。

 が、結果は1-1のドロー。何とか連敗は止めたもののそれ以外の収穫が何もない酷い試合でした。確かJリーグ開幕1年目の終わり頃にアイスタで行われた試合(確か天皇杯じゃなかったかな)で何とか勝ったもののそれ以外の収穫が何もなくて、当時監督のレオンが「富士山は美しかったがそれだけだった」というコメントをしたと記憶しているのですが、まさにそんな感じでしたね。

<明治安田生命J1リーグ 於 IAIスタジアム日本平>

 清水エスパルス 1ー1 サガン鳥栖

Cimg1670_small

 お互いに連敗が続いていて何とか連敗を止めたいという気持ちを持って戦ったと思うのですが、鳥栖の方がよりそういった強い気持ちを持ってぶつかって来たように思います。キックオフ早々からWBのウラへ長いボールを入れてこちらを押し込み、ボールを奪われても素早いトランジションで自陣に入られる前にボールを奪い、再び両サイドを起点に攻めかかるというまさにウチがやりたいサッカーをやって来ました。

 それに対する我がエスパルスの出来は酷かったですね。フォーメーションはここ数試合と同じ3-5-2で、ようやく怪我の癒えたソッコを右WBに入れて臨んだのですが、試合開始直後から鳥栖の積極的な攻めに押されて5バックになってしまい、おまけに何を気にしたのか相手SBに合わせて後藤まで下がってきて6バックにまでなってしまう状態。おまけにボールの奪い所を決めているわけではないから、選手が良い距離を保った中で繋いでくる鳥栖に対して人海戦術で跳ね返すのが精一杯。何とかボールを奪っても中盤のラインもメチャクチャ低くて後ろが重くなっている上に、鳥栖のトランジションが早いからすぐ囲まれてボールを回収され再び攻撃を受ける事の繰り返し。GKから再開する時も鳥栖が5人程度前に人を割いてプレスをかけてくるし、何とか両WBにボールを付けてもサイドは数的不利ですからWBは自分で持ち出すか中へ返すかしか出来ず、さらに中盤の選手も捕まえられているから結局そこでボールを奪われるか、ボールを何とか保持しても今度はタテパスを入れる先がない。そんな感じで、特に前半に関してはどうしようもない酷い状態でした。

 後半開始から右WBにソッコに代えて奥井を入れ、その奥井がより積極的にアップダウンをしてくれた事で、前半よりは相手陣でプレーする時間が増えましたが、相手にリトリートされ4-4-2のブロックを作られるとタテパスを引き出す動きがないからサイドへ付けるしかない状態。ある程度押し込んだところでWBに付けても相手SBの後ろのスペースに入ってくれるのが後藤くらいしかおらず、後藤の動きに連動しての動きがないから結局相手ブロックを崩すには至らない。それでも何とかセットプレーから久々の先制点を奪って「これで勝てるか」と思いましたが、その後は前がかりになる鳥栖に押されて防戦一方となり、85分、ゴール前の混戦から石井に持ち出されて失点。この場面については組織にはなっていなかったですが人はいたので、何故あんなカオスになったのかわかりません。その後も鳥栖の攻撃をはね返すのが精一杯だし、ボールを相手陣に運んでもサポートの動きがなくただゴール前で待っているだけ。相手陣CKからのカウンターでポスト直撃のシュートまで打たれて、何とか勝ち点1だけは守り抜いた試合となりました。

 とにかく「まさか今年アイスタ日本平でこんな低レベルの試合を観る事になるとは思わなかった」という想いが自分の中でずっと渦巻いている感じですね。2月のF東戦や8月の札幌戦ではとにかく細かく動き直しをしてトライアングルを作って崩そうという意識が徹底されていて、札幌のようにマンツーマン気味に来られてもそれを逆手にとって新たなスペースを作ってそこに別の誰かが入って相手をさらに混乱させる事が出来ていたのに、この日は4-4のブロックを組んだ上でゾーンに入ってきた選手に厳しいチェックをかける鳥栖に対してパスコースを作ってサポートする動きが少ないし、頼みのブラジル人2トップの連携は皆無で、いたずらに下がってきては無理に相手を剥がそうとしてボールロストを繰り返すばかり。その前の週の広島戦がウソのような内容でした。守備についても、何とか失点を減らしたいという想いとCBが怪我や出場停止により不足しているという事情もあってか3バックを採用していますが、結局5つのレーンを埋めて人海戦術で何とかはね返しているだけ。中盤や前線もただいるだけだからあっさりタテパスを通されて最終ラインが晒される事の繰り返し。鳥栖の決定力に救われて1失点で済みましたが、そんな鳥栖の選手達に各所で位置的優位を作られたら好守とも何も出来なくなるレベルである事が露呈してしまいました。

 この日出場した選手達の中で「この試合をどのように戦うか」に関する意思統一がされていたとはとても思えません。ブラジル人の選手達は終始イラ立っていましたしね。まあこれだけ負けが込んでしまったら、どんなに理論的には優れた戦術であっても信じきれなくなるのは無理もないと思います。今シーズンはあまりにもタイトなスケジュールを強いられたし、本来は必要なウィングプレーヤーがいないなどのスカッドの問題もあったので、僕はクラモフスキー監督にはもう少し時間を与えた方が良いという立場で本ブログの記事を書いてきました。が、アタッキングフットボールをすると高らかに宣言したのに、現時点で人海戦術によって失点を減らそうとして減らせていないチームしか出来ていない以上、これ以上擁護する事は出来ないです。

 残念ながら、クラモフスキー監督は今季限りでお別れという事にせざるを得ないでしょう。後は違約金を払ってお辞め頂くかシーズン終了後に両者同意の上でという形にするかではないかと思います。

 ただ今季の体たらくを監督1人に押し付けるのはフェアではないですね。編成の責任はもちろんですが、選手の責任も見逃してはいけないでしょう。その意識の低さでどれだけ監督をクビにさせたんだよという怒りはかなりあります。まあまだ試合は残っているので、まず今季のチームの戦いぶりを最後まで見守った上で、その上でいろいろと思うところを書きたいと思います。まずは10/31の日立台での試合ですね。

※ブログランキング参加中です。

にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 

|

« またか(10/14 FC東京戦) | トップページ | 今季初のスコアレスドロー(10/31 柏戦) »

コメント

こんにちは。
鳥栖戦は仕事の為ハイライトしか見てないのですが、反応見ていると主様と同じような意見になると思いました。
少なくても東京ほど固いブロック作られると話にはならないが、中位以下のチームならそれなりにポゼッションからの崩しは出来ると思います。点につながる形は少ないですが。
逆に鹿島戦や鳥栖のように前からしっかりプレスをはめてくるようなチームが相手だと今の清水だと何も出来なくなると言うのが現状かと自分は考えます。
健太さんが監督の一年目はまず立て直ししやすい守備からしっかり作っていきました。がなかなかうまくはいかず、残留争いでしたね。あの時は、シーズン終盤の兵動、エダ、青山の若い力が躍動し2年目以降の躍進につながりました。
モフ監督のポゼッションサッカーは攻守一体なのでどっちが先か言う話にはつながらないですが、少なからず守備での戦術を持ち合わせた監督ではないと感じます。後、ポジショニングを修正出来る監督でもないと。
全部監督の責任とは自分も思いませんがここまで修正出来ない監督では来年以降監督を続けていても難しいでしょう。
結局シーズン終盤になってもポゼッションサッカーはわかるんだけどその先のビジョンが見えないんですよね。

投稿: はすき | 2020年10月20日 (火) 09時48分

はすきさん、コメントありがとうございます。

仰る通りで、結果的にリトリートする時間を長くさせられた時の対応についての引き出しがなさそうなんですよね。割と細かいところは選手に任せているようですが、ある程度の約束事は提示してあげないといけないと思うので、その意味でここが限界かなと思います。

一方で選手達にももう少し監督・コーチ陣あるいは選手同士でコミュニケーションをとって戦い方を整理する努力をして欲しかったとも思ってますけどね。

投稿: YANA | 2020年10月21日 (水) 18時57分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« またか(10/14 FC東京戦) | トップページ | 今季初のスコアレスドロー(10/31 柏戦) »