かませ犬(8/29 川崎戦)
昨日(8/29)はアウェイでの川崎戦。今回はDAZNで観戦しました。
結果はご存じの通りですが、何というかプロのサッカーの公式試合というよりは、これはプロレスファンには失礼かもしれませんが、プロレスの興行と同じじゃね、と思いました。開始から腑抜けた戦いをして、大怪我から復帰した中村憲剛が復帰するのにちょうど良いシチュエーションを作り、おまけに復活ゴールまでお膳立てするといういわば「かませ犬」の役割を演じたようなものじゃないかと。非常に悔しいですが。
<明治安田生命J1リーグ 於 等々力陸上競技場>
清水エスパルス 0ー5 川崎フロンターレ
チームの完成度とか個々の能力以前に、チームとしてやるべき事を誰もやってなかったから負けた。敗因はこれに尽きます。
試合開始から川崎の前からのプレスに対してミスを犯し、開始1分で危ないクロスを入れられる不安な立ち上がり。それならこちらもやり返すべきところなのですが、エスパの方は前からプレスをかけずにブロックを作る事を優先し、川崎の両CBにプレスをかけるのはカルリーニョス1人。いつもなら後藤がカルリーニョスと一緒にプレスをかけるけど、この日後藤に代わって入った慶太は川崎のアンカー下田に気をとられたのか前には出ず。こうなると川崎の両CBは労せずして前にくさびを入れられるし、守るエスパとしてはどこにボールが来るかわからずいるだけ状態で、難なくウラをとられる事の繰り返し。たまに相手陣に入る事もあるけど、ボールを失った時のいわゆるネガトラがこれまでと比べて絶望的に遅くて何度もカウンターを食らってしまう。そして21分にはGK大久保の不用意な飛び出しによるピンチをいったんは凌いだけど、その後の繋ぎでヘナトがアンビリーバボーなスルーを自陣でしてそれをカットされて失点。それでもどうにか1点差で凌いで後半を迎えたけど、51分の相手陣でのボールロストに対するネガトラがやはり遅くてカウンターを食らい、あげくに一番危険なレアンドロ ダミアンをどフリーにして2失点目。その後は金井のシュートなどいくつかチャンスは作ったけど点差を詰めるには至らず、次第に中盤と最終ラインとの間が空いてしまって、74分にハーフラインでのボールロストからのスペースを突かれて3失点目。そして85分、いったんGKがボールを抑えてピンチを凌いだかと思ったところで岡崎が中村憲剛にプレゼントパスをして4失点目。とどめは三苫に5失点目を食らい、ボコボコにされての敗戦となりました。
まず川崎に比べてエスパの前からのプレスが絶望的に弱かったのが第一の敗因。前節も前半途中まではカルリーニョスと後藤だけがプレスをかけていましたが、これはその前の試合からのインターバルが短かったからだと思っていました。が、この日に関してはウチの方が日程面で有利だったわけだし、その上CBにプレスをかけるのが一人だけになったらどうしようもないですよ。川崎相手なら多少無謀であっても人数をかけてプレスをかけてパスコースを限定していかないと。慶太がトップ下での守備時の約束を理解していなかったのもあるでしょうが、慶太以外の選手もステイしているのが多くて、どうやって守るつもりだったのかが全くわかりませんでした。次に酷かったのがトランジション。特にネガトラが酷かったです。ボールロストした時にいつもなら2、3人がボールを奪い返そうとボールホルダーに襲い掛かるのに、この日はせいぜい1人だけなので、難なくかわされて上がった両サイドのウラを突かれる事の繰り返し。それとゴールキックの後の後ろからの繋ぎも不安定でしたね。川崎のプレスは確かに強かったですけど、それに対してパスをもらいに来る動きがいつもより少なくて、結果として無理に前に蹴って簡単にボールを失う場面が多すぎました。これをよくやってしまっていたのが岡崎で、リーグ戦初出場の大久保も一生懸命CBの後ろをカバーしようとしてくれたんですけど、ボールを奪ってからのパスミスが多くて余計な負担をかけてしまったので、あれなら前の方に蹴りだしてくれた方がマシでしたね。他にもいろいろ悪いところはありましたが、一番腹が立ったのは1対1の時に負けないとか、数人で囲めたら確実に潰すとかそういったファイティングスピリットを見せた選手が殆どいなかった事。おまけに0-3になった後は完全に戦意を失って、なすすべなく4,5失点目を食らってしまった。もう「情けない」としか言いようがなかったです。
もちろんエクスキューズはあります。この日もおそらくはアクシデントでエウシーニョ、ヴァウド、ソッコが欠場し、さらにトップ下の後藤も不在でした。この中で特にヴァウドと後藤の不在は大きく影響したと思います。ヴァウドに代わって出場した岡崎は守備面でも繋ぎの面でも不安定だったし、トップ下の慶太は守備面については前述の通りで、攻撃面においても後藤と比べて後ろからの繋ぎを助ける動きが不十分でした。また川崎の力がチームとしても個々の能力でも予想以上に高かったという面はあったかもしれません。が、それにしてもやられ過ぎです。第一、
・ボールを握る時間を長くした攻撃的なサッカーをする。
・そのためにネガティブトランジションを早くして、ボールを握り返す守備をする。
・守備時も前からプレスをかけて攻め方を限定してボールを奪う。
というのがエスパルスが今季志向するサッカーで、少なくとも2試合前の横浜FMでは不十分ながらもある程度それが出来ていたし、それ以前の5試合では負けなしできていたんですよ。にも関わらずこの試合では、攻撃面はともかく守備面では前述の片鱗は全く見られなかった。おそらくは川崎の試合開始からのプレスにビビってしまい、「下手にボールを奪いにいってもかわされるだけ」とか思ってボールホルダーに寄せる事を躊躇したとしか思えません。このブログで何回か書いていますが、今までは出来た事が出来なくなるっていうのは僕は一番嫌いなんですよ。相手の力にビビってそうなったのであれば尚更。だからこれまでやってきた事を否定するのではなく、今一度チームを札幌戦、横浜FM戦のレベルに戻す事を練習で取り組んで欲しいと思います。
それからクラモフスキー監督を始めとするスタッフ陣にも注文です。まずこの日のGKが梅田やネト ヴォルピではなく足元に若干不安のある大久保だったのがなぜかがわかりません。まあこれに答えて頂く事は出来ないでしょうが。それとなぜこの日の相手最終ラインのプレスが甘かったのかについてはしっかり分析して頂いて、その上で前線からいかにプレスをかけていくかについてマインドセットも含めてしっかり整理して頂きたいと思います。
例によって長文になってしまい恐縮です。次節はホーム・アイスタ日本平での柏戦です。これまた非常に厄介な相手ですが、幸いまた1週間時間があります。この時間を利用してしっかり立て直して、良い試合を見せて欲しいと思います。
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