« 18日からトップチームの練習再開 | トップページ | 思い出の試合7(2011年10月2日 清水vs名古屋(アウスタ日本平)) »

2020年5月19日 (火)

思い出の試合6(1993年5月16日 横浜Fvs清水(三ッ沢))

 27年前の5月15日、Jリーグが開幕しました。今年は記念すべき5月15日にリーグ戦が中断されているので、5月15~16日に開幕節の5試合をYoutubeで配信してくれました。その中のエスパルスの開幕戦について、せっかくなので感想を書きたいと思います。

 この横浜Fとエスパの試合は5月16日の12時から配信されたのですが、僕は寝坊しちゃったため(汗)1日遅れの日曜日に見ました。何というか懐かしかったし、楽しかったですね。僕はこの時は関西在住だったのでこの試合はTVで観ていましたが、鳴りやまないチアホーンの音とその中で流れるエスパサポのサンバのリズムが心地良かった事を思い出しました。また配信ではJリーグ副理事長の原さんが各チームから2人ずつ呼ばれたゲストと一緒に見る形式だったのですが、ゲストの反町さん、山口さん、堀池さん、大榎さんと原さんの5人の掛け合いが面白い上に濃いのて、その部分でも楽しめました。

 エスパルスのスタメンとベンチメンバーは以下の通りです。 

 GK 真田
 DF マルコ・アントニオ、内藤、堀池、平岡
 MF 大榎、エドゥー、澤登
 FW 長谷川、トニーニョ、向島
 SUB 大滝、斎藤、太田、青嶋、杉本

 試合は序盤から両チームとも激しいプレスの応酬を見せる展開となりましたが、9分に早くも試合が動きます。エスパの右サイドのウラに抜け出した前田がパスを出すと、前田に食いついたエスパDFの間を通ってフリーのアンジェロへ。アンジェロがこれを落ち着いて決めて横浜Fが先制します。試合はその後も激しい中盤でのつぶし合いになりますが、次第にエスパが両サイドを起点とした分厚い攻撃を見せるようになって優位に立ちます。ただ横浜Fも最後のところはやらせない守備により跳ね返していましたが、42分、相手CBがクリアしたボールを拾った堀池が相手最終ラインのウラへ浮き球のパス。これに反応したエドゥーがキーパーもかわしてゴールへ流し込んで同点に。前半は1-1で終了しました。

 後半も両チームが中盤で激しいつぶし合いを行いますが、思わぬ形で均衡が破れます。57分、味方に当たってCKになりそうだったボールを真田がペナのギリギリのところまで出てクリアしますが、それが相手SBのモネールの下へ。モネールが落ち着いて無人のゴールへ蹴り込んで、横浜Fが勝ち越しに成功。エスパはすぐさま反撃に出ようとしますが、中盤から前線へのボールを岩井がカットして相手陣へ持ち出してスペースへパス。これに反応した前田が難しい角度からのシュートを決めて2点差とします。焦るエスパは杉本、青嶋といった攻撃のカードを切って攻め立てますが、ゴール前をしっかり固めた横浜Fの前に決定機すら作れず、ロスタイムに青嶋の左サイドを突破してのクロスにエドゥーが反応し、ポストに当てたボールをヘッドで中へ送って、それをトニーニョが押し込んで1点差としますが、それが精一杯。記念すべきJリーグの開幕戦は横浜Fの勝利となりました。

 この映像は見返すのが初めてだったのですが、前の日の国立でのV川崎と横浜Mの試合もそうですが、思った以上にお互いのゴール前の攻防が多くて面白い試合だなと感じました。細かい技術は今の選手の方が上かもしれませんが、とにかく全選手が走りまくっていたし、インテンシティが凄く高かったですね。ボールホルダーへの寄せが早い上にちょっともたつく3~4人が一気に囲い込んでいたのも印象的でした。ちょうどアリゴ・サッキがACミランにゾーンプレスを持ち込んでサッカー界を席巻してから4~5年くらいの頃なのでその影響もあるかもしれませんが、何よりも選手一人一人が「ここでつまらない試合をしたら終わりだぞ」という強い気持ちを持っていたという方が大きかったのかなと思っています。僕も日本サッカーリーグの時代に何試合か観に行った事がありますけど、とにかく観客が少なかったですからね。それが前年の92年のナビ杯で予想以上の盛り上がりを見せ、並行して日本代表がオフト監督の下で強化されて広島でのアジアカップとJリーグ開幕直前のアジア一次予選で結果を出した事でさらにサッカー人気が盛り上がってのJリーグ開幕ですから、ろくに観客が集まらない時代を知っている選手からしたら「この流れを崩しちゃダメだ!」という強い気持ちが自然と出るのもわかりますよね。この開幕時の熱気を思い出せたのは良かったなと思います。

 で、エスパルスは母体チームを持たず、有料の対外試合を行えるようになってからまだ2年目ですが、堀池、大榎、長谷川の清水東三羽烏を筆頭に静学出身の三浦泰年、向島、東海第一出身の澤登などといった静岡県出身の実力者を揃え、92年のナビ杯で早くも準優勝を手にしました。レオン監督の指導の下で展開されたサッカーは、4-3-3でサイドから早い攻めを仕掛けるというどちらかというとシンプルなものでした。この試合も健太、向島の両サイドに早めにボールを預けてそこから突破を図るというのを繰り返していました。前述の両ウィングは突破力があるし、真ん中にはエドゥー、トニーニョのブラジル人コンビがいて、それを克己、ノボリの2人がサポートするという豪華な布陣でしたから、ハマるとぶ厚い攻撃を見せてくれるから観てて楽しいのですが、最後の崩しがデザインされているわけではなくて個人任せだったから、相手にそれを抑え込まれたり誰かの調子が悪かったりするとなかなか抜け出せないという戦いを繰り返していた気がします。この試合も後半2点先にとられてからは攻めあぐねましたし、シーズンを通してもセカンドステージ前半は加藤久が入って守備が安定した事で首位で折り返しましたが、ドーハでのW杯最終予選を挟んだ後半はなかなか調子が戻らずに勝ち点を落としてV川崎の優勝を許したし、翌年のファーストステージも最初は勝ち点を積み重ねていたのですが次第に調子を落とし、終盤の広島との直接対決で完敗して優勝を逃し、ファーストステージでレオン監督は解任されてしまいました。やっているサッカーも前述の通り単調なところがあるので、それを不満に思う人は多かったと聞きます。ただ僕みたいに静岡県と縁もゆかりもなくてただ高校サッカーだけは見ていた人間からすると、高校サッカーで活躍した清水東三羽烏や澤登、真田といったメンバーが集まってチームを作ったというのはすごくロマンがあるなと思ったし、そんなチームが個人の能力を活かして初期のjリーグで常に上位で戦う姿を見てこのチームをより応援するようになったのは確かです。そんなJリーグ開幕直後の気持ちを思い出させてくれたという意味で、今回の企画には感謝しています。(ただ、今度は勝ち試合を見せて欲しいですね。エスパは大事な試合をことごとく落としてきたという歴史があるので、あんまりないかもですけど。)

※ブログランキング参加中です。

にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

 

|

« 18日からトップチームの練習再開 | トップページ | 思い出の試合7(2011年10月2日 清水vs名古屋(アウスタ日本平)) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 18日からトップチームの練習再開 | トップページ | 思い出の試合7(2011年10月2日 清水vs名古屋(アウスタ日本平)) »