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2018年3月11日 (日)

アジャスト(3/10 札幌戦)

 昨日(3/10)はアウェイでの札幌戦でした。先週に続いて忙しかったのと、十分な遠征費用が確保できていなかった事の2つの理由で遠征は断念し、家でテレビ観戦しました。現地に行かれた皆さま、お疲れ様でした。

 一昨年のJ2時代から札幌には公式戦で5連敗していました。そのため「今年こそ勝ちたい」という気持ちはあったものの、サッカーのスタイルを変えた事でより手強い相手になったかも、とも思っていたので、かなり苦戦するだろうと思っていました。しかし終わってみれば逆転勝ちで、内容的にも試合終盤は相手に殆どサッカーをさせないというもので、本当に素晴らしい勝利だったと思います。

<明治安田生命J1リーグ 於 札幌ドーム>

 清水エスパルス 3ー1 北海道コンサドーレ札幌

 前半途中からハーフタイムに向けての修正というかアジャストメントが非常に上手くいったのが勝因でしょうね。それが出来るようになっている事に正直驚いています。

 今季からペドロビッチ氏が監督となった札幌は、フォーメーションが3-4-3で、戦い方は広島や浦和の時とほぼやり方。フォーメーションがミスマッチになる相手との対戦はリーグ戦では初めてになるのでどうなるかと思っていましたが、最初はかなり苦しみました。一方のサイドに引き寄せてからのサイドチェンジに対しスライドが間に合わなかったり、2シャドー、特に三好にこちらのブロックの間に入られてチャンスメイクされるなど、最初の二十数分はほぼ防戦一方でした。15分には左サイドの繋ぎを取り切れずに右サイドに展開され、逆サイドの駒井へ。そこからの絶妙のクロスをジェイに合わされて先制を許します。しかし26分、同じくサイドチェンジからの繋ぎで相手WBの背後を取った金子がクロス。中央で受けたクリスランが上手く身体を使って技ありのゴールを決め、早い時間でエスパが同点に追いつきます。その後くらいからサイドのポジションを修正してサイドチェンジに対しては落ち着いて対処できるようになり、さらにボールも繋ぐ事が出来るようになりました。ただ三好には好き放題やられていたので、そこをどう掴むかが後半に向けてのカギだろうと思っていました。

 後半も最初にチャンスを掴んだのは札幌でしたが、前半途中から前へ繋げられるようになったエスパも反撃し、48分、自陣からデューク、松原と繋いで、松原がグラウンダーのクロス。これを逆サイドからニアへ走り込んだ金子が上手く合わせてゴール。エスパが逆転に成功します。これにより優位に立ったエスパは、最終ラインと中盤のラインをよりコンパクトにして、三好のスペースを封殺。これにより相手の攻め手を奪ったエスパは、相手の攻撃を落ち着いて跳ね返し、奪ったボールを両SHの運動量を活かしながら前に運んで、札幌に脅威を与え続けます。そして67分、セットプレーからのボールを活かしてサイドから揺さぶった後、クリスランが真ん中で上手く落として、それを河井が右のアウトサイドに引っ掛けてシュート。見事なゴラッソにより、エスパがさらに点差を広げます。何とかホーム開幕戦での敗戦を避けようとする札幌は、ヘイス、都倉といった攻めのカードを切ってきますが、それにより前半は利いていたチャナティップと三好のポジションをゴールから遠ざける事となり、より余裕を持って対応できるようになったエスパが最後まで集中を切らさず、ここ2年負け続けた札幌ドームで久々の勝利をあげました。

 札幌サポには失礼ながら、相手の自滅に助けられたがゆえの快勝だった面はあります。が、札幌にそうさせたのはエスパの守備における修正、アジャストの早さだったとも思っています。最初の二十数分は相手のサイドチェンジに対応しきれずに両WBにスペースを与え続け、失点シーン以外にも何度か危ないシーンを作られました。また前述の通り三好のポジションもなかなか掴み切れずに何度か危ない場面を作られました。特に三好からチャナティップへのパスを起点とした被決定機を決められていたらどうなっていたかわからないでしょう。しかし、25分過ぎくらいからSHが相手のWBに早めに付くようになってからは、サイドチェンジにより危ない場面を作られる事がほぼなくなり、特に駒井をほぼ封殺。三好に関してもブロックの間を狭くする事で三好が自由にやれるスペースを消す事によって、脅威を減らす事に成功します。これにより札幌は攻め手を失い、エスパのブロックの外側でボール回しするだけとなりました。ここまで見事に修正したのは、少なくとも昨季は記憶にないですね。これはもちろんヨンソン監督の能力によるところが大きいとは思います。試合中の修正能力が高いと聞いていましたが、さすがですね。ただここ数試合は選手間でも試合中にコミュニケーションをとっている場面が増えました。そうした選手間の意思疎通によって微調整が出来るようになっているのでは、とも思っています。やはりベースの戦い方のイメージが選手間で共有されている分、そこへどう持っていくかを考えれば良いので、やりやすいんじゃないですかね。まあ一試合だけで判断するのは早すぎますが、この試合のような試合中の修正が的確にできるようになれば、チームはさらに強くなると思うので、楽しみです。

 攻撃に関して、前節2アシストの石毛が怪我により不在だった分どうなるかと思いましたが、代わって出場したデュークが彼らしい献身性と突破力でその穴をふさいでみせました。今季のエスパは両SHの運動量がキモなので、そこが減らなかったのは大きいと思います。このデュークと金子、さらにボランチの竹内、河井が、ボールを持った瞬間に味方のサポートのために走り出してパスコースを作ってパスを繋いで、前線のクリスラン、北川を活かしていく。そういう攻め方のベースが既にある程度確立された感があります。相手が引いた時にどうビルドアップするかという点と、バイタルエリアでの繋ぎがまだぎこちない点が課題ですが、開幕戦から比べてもパス回しの精度は少しずつ上がっていると思うので、このまま少しずつ試合を通して向上させてくれれば、と思います。

 これでリーグ戦2勝1分。ルヴァン杯も勝っている事を思うと、出来過ぎとも言えます。ただ昨季も開幕3試合での勝ち点は6だったわけで、そこから勝ち点を奪うペースがグッと減ったわけです。今季もそうならないとは限りませんし、攻守とも課題はあるので、全く安心は出来ません。例えば1失点目の時に、左サイドでの札幌の繋ぎにこちらも人数をかけながらボールを奪いきれなかったのは問題ですよね。ですので、金子が試合後インタビューで語っていたように「地に足を付けて」謙虚に戦って欲しいと思います。

 今週もルヴァン杯が水曜にあり、その後日曜にホームに仙台を迎えます。ハードな日程が続きますが、今のやり方を続ける事で、確実に勝ち点を稼いで欲しいと思います。

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