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2017年12月30日 (土)

エスパルスの2017年シーズン総括(駄文失礼)

 えーと、2017年もあと1日で終わりです。で、シーズン最終戦の時に、「何か総括のようなものを書くつもり」と書きましたが、ずーっと出来ずにいました。まあ僕の文章なんで大した事は書けませんが、僕なりの「エスパルス2017年シーズン総括」を書いてみたいと思います。ヒマつぶしにでもお目通し頂ければ幸いです。

 シーズン始動時、クラブは今季の目標を「9位以内」と設定しました。一時は「もしかしたら届くかも」というところまできましたが、終わってみれば14位となり、最終戦までJ1残留が決まりませんでした。その原因は大体以下の3つになると考えています。

 ①補強の失敗
 ②相次ぐ怪我人
 ③微妙な戦術のズレ

 以下、1つずつ述べていきます。

①補強の失敗

シーズン前、「昨季と同じ守備陣でJ1を戦うのは厳しい」と判断したクラブは、守備のセンターラインを補強しようとしました。それにより加入したGKの六反は、リーグ戦フル出場を果たし、ミスもありましたが堅実なセービングで守備陣を支えてくれました。一方でCBとボランチとしてフレイレとカヌの2人を獲得しましたが、この2人が誤算でした。フレイレは日本人特有のアジリティにアジャストできずに苦労し、カヌは一時はレギュラーを獲得し、持ち前の高さとパワフルさでチームに貢献してくれましたが、横からの揺さぶりに弱い事に相手が気付くとそれを突かれるようになり、次第にスタメンから外れるようになりました。この二人がレギュラーになれなかったのは誤算だったと思います。

 一方で二人、特にフレイレについて擁護すべき点は、二人のいずれかをボランチに転向させて使おうとした事です。守備面に特化すればできなくはないと思いがちですが、やっぱり360度の視野が要求されるボランチとCBでは全く違うし、ましてやつなぎも要求されますから、そう簡単にはいかないでしょう。その意味では強化部および小林監督の見通しは非常に甘かったと言わざるを得ないし、もしフレイレをCBに固定して使っていたらあるいは日本へもアジャストできたかもしれないので、それについては申し訳なく思ってます。

 守備陣だけでなく攻撃陣についても、期待された野津田は、途中ボランチで使われたりもしてなかなか本来の持ち味を発揮させられず、3月に加入したチアゴ アウベスは出場した最初の頃は強烈なインパクトを残したものの、次第にそのエゴイスティックなプレーが災いして単騎突破しようとしては潰される事を繰り返すようになり、怪我の多さもあって実力を発揮できずに終わりました。という事で、シーズン開始時に補強した選手でまともに活躍したのは六反だけだったというのは痛かったですね。

②相次ぐ怪我人

 今季は本当に怪我人の多さに泣かされました。シーズン前に調子の良さを伝えられた竹内が練習中の怪我により開幕に間に合わず、続いて河井が開幕戦で大怪我をして10月まで離脱。5月頃には犬飼、白崎が相次いで長期離脱してしまい、他にも角田や六平、さらにはテセまで途中離脱した時期があったし、シーズンフル稼働できたのは六反、松原、金子とあと二見くらいではないでしょうか。本当に悲惨な状態でした。

 ここで問題なのは、練習中の怪我が多かった事、筋肉系の怪我が多かった事、そして復帰時期を誤ってさらに復帰が遅れるケースが散見された事ですね。まあ練習中の怪我はある程度しょうがないかなと思うのですが、筋肉系の怪我が多かった事についてはフィジカルコーチの負荷のかけ方の問題もあるのでは、と思うし、3つ目に関してはウチのメディカル体制はどうなってるのか、と思わざるを得ません。メディカル体制の見直しについてはシーズン始動当初の改善ポイントとしてあげていた記憶があるので、そこが機能しなかったのは大きな反省点だし、来季はもっと目に見える効果を出して欲しいです。

③微妙な戦術のズレ

 シーズン開幕当初のエスパの基本的な戦い方は昨季とそう変わりはありませんでした。守備時においてはきっちり4-4-2のブロックを作った上で前からハメにいき、攻撃時には両SBを上げてボランチのどちらかが降りてゲームメークを担うやり方です。もちろんJ1での戦いですから相手にボールを持たれる時間は長くなりましたが、それでも6節までは五分の星を残すなどそこそこの成績は出せていました。しかしJ1の質の高い攻撃陣を前に失点が次第に増えていった事で最終ラインは次第に下がり、一方で得点もとれない事で焦った攻撃陣が前に出ようとして、結果的にゾーンが間延びしてさらに失点を重ねる事になりました。これによりチームは7節から15節まで勝てなくなってしまいます。

 そこで小林監督は少しずつ現実的な方向に舵をとりはじめ、全体のブロックを下げて戦うようになりました。それにより一時的に勝ち点を稼げた事で少し余裕が出たため、横浜FM戦あたりから再び重心を前に移しますが、8月の柏、鹿島、浦和などとの連戦で複数失点を重ねた事で、再び重心を後ろに戻しますが、それでも川崎には全く通用せず、そのためさらに重心を後ろに移すと今度は全く攻撃が出来ないという悪循環に陥り、どうしたら勝てるのかわからない状態となりました。

 結局「やっぱり前から積極的にハメにいくしかないんだよ」という形に落ち着き、何とか最後の二試合はチームとしての意思統一がなされた戦いが出来ましたが、結局今季はJ1の強力な攻撃陣を抑えるために、という事で守備のバランスをどうするかを腐心した一年だったと言えるでしょう。そこで小林監督が明確な指示を出せれば良かったのですが、そういうタイプの監督ではなかったために苦労してしまったという印象があります。もちろん昨季J1に昇格できたのは小林監督のおかげだし、①で書いた誤算もあったので、小林監督のせいだけではないのですが、今季限りで契約解除になったのは致し方ないかな、と思います。

 以上、今季の目標を達成できなかった原因を書き連ねてみました。それを受けての2018年ですが、既にクラブは今季の反省を受けて動き出しています。①の失態をした強化部については、’07年まで強化育成本部長だった久米氏をGMとして招へいし、久米氏がチーム強化を主導するようです。また監督にはスウェーデンでの監督実績が豊富で、今季広島を降格の危機から救ったヨンソン氏が就任。さらにメディカル体制についても夏頃から見直しを行っている模様です。肝心の選手が揃わないとどうしようもないので、まずは久米氏の手腕が問われるところですが、今季の悔しさを晴らすべく動いているようなので、それに期待したいと思います。

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