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2016年12月 4日 (日)

2016年エスパルスかく戦えり(後編)

 今日(12/3)はJ1のチャンピオンシップ第2戦が行われました。第1戦、アウェイで勝利した浦和ですが、先制しながらも最後鹿島に逆転負けを食らい、鹿島が今年のJ1リーグのチャンピオンになりました。

 ハイレベルな両チームの戦いという事で、選手一人一人の技術が高いし、その上で当たりも激しくて、見ごたえがある試合でした。来年はこの2チームがいる場所に戻って戦う事になるのかと思うと、期待半分不安半分って感じがしますね。

 まあ来年に向けてのチームビルディングの方は、クラブが既に動いてくれていると思いますので任せる事にして、もう少しJ1復帰の余韻に浸ろう、という事で、表題の話の後編です。

 27節の札幌戦の敗戦を受けて、GKは杉山力に代わって植草がスタメンを務めるようになりました。植草は、風貌は少し派手ですが、プレースタイルはとても堅実でした。海外でいうとノイアーみたいにガンガン前に出るタイプではありませんが、ポジショニングがいいというか、いて欲しいところにいてくれる感じで、セービングもしっかりしてくれるし、何よりミスの少ない選手です。

 彼が起用された28節以降、エスパルスは守備面でも安定感を見せるようになり、30節の横浜FC戦から32節の水戸戦にかけて、今季初の3連勝を果たします。しかも水戸戦はラストプレーとなったCKをねじ込むという劇的なもの。元紀も大怪我から復帰した31節の山形戦でいきなり直接FKでゴールを奪って存在感をアピール。リーグ戦の合間の天皇杯もしっかり勝って、非常に良いムードで2位松本のホーム、アルウィンへ乗り込みます。

 しかしこの重要な試合で、エスパルスは松本の厳しい当たりと劣悪なピッチコンディションに苦しめられ、点差以上の完敗を喫してしまい、これにより2位松本との勝ち点差は7に広がってしまいました。これは選手もショックだったみたいで、翌週の練習では「気持ちを切り替えるのが難しい」と漏らす選手がいた事が、後の試合のマッチデープログラムに記されています。僕も「これはストレートインでの昇格は難しいだろう。プレーオフはいけるだろうからどれだけ良いポジションで終えられるか」と弱気な事を考えていました。

 続く34節のアウェイでのC大阪戦は、相手のスローペースのサッカーの前になかなか持ち味の攻撃が機能せず、逆に71分に先制される厳しい展開となってしまいます。しかし小林監督が次々と攻撃のカードを切ったのが実を結び、89分に北川、90+4分に白崎がゴールをあげて、見事な逆転勝利。これにより自信を取り戻したエスパルスは、ここから猛追撃を開始します。

 この時期の攻撃の原動力は、何と言っても34節からスタメンに復帰した元紀とテセの2トップでしょうね。敵側からしたら、タイプが違ってどちらも決定力があるというのは脅威だったでしょうし、味方からすれば良い状態でパスを出せばどこかでゴールを奪ってくれるわけですから、大きな心の拠り所になったはずです。この時期は河井と枝村が怪我で一時的に戦列を離れたため若干中盤の構成力が落ちていたのですが、この2人は35節の町田戦から40節の京都戦まで2人揃ってゴールを奪い続けるなど、チームをけん引していきました。

 一方の守備面は、河井の欠場によりボランチに入った本田がきっちりとバイタルエリアを締め、右サイドバックに弦太が入る事で最終ラインもより堅固になりました。チームは35節の町田戦から39節の群馬戦まで4試合連続のクリーンシートを達成し、その後の試合でも最少失点にとどめるなど、開幕後の2~3か月の頃が嘘のような安定感を見せるようになりました。

 こうしてチームは40節まで7連勝。41節では、先に行われた試合で松本が敗れ、その後岡山の猛攻をしのぎ切ったエスパルスが、ついに松本と勝ち点で並んで得失点差で2位に浮上。翌週のアウェイでの徳島戦も厳しい戦いになりましたがしっかり勝ち切って、リーグ戦の最後の9試合を全勝で終えたエスパルスが2位に滑り込み、見事に今季の目標である「1年でのJ1復帰」を達成しました。

 28節から最終節までの成績は以下の通りです。

  (28節~42節)
   13勝1分1敗 34得点10失点

  (1節からのトータル)
   25勝9分8敗 85得点37失点 2位

 何とこの時期に全体の勝利数の半分以上をあげてます。夏休みの宿題を終わり頃にやり切ってしまう子供のようですが、実際この時期は引き分けはしちゃうかもしれないけど、負ける気はしない感じで見ていました。

 で、こうして書いていくと、チームが1つ1つ課題をクリアしていきながら強くなっていたのがよくわかりますね。最初はJ2のフィジカルコンタクトの厳しさに当たり負けする事が多かったのが、次第にアジャストしていって簡単に当たり負けしなくなったし、攻撃面は最初は足元のパスばかりで個人技での得点しかできなかったのが、次第にパスをもらいに動いてそれを受けて次の選手に渡して次のスペースへ動くというのがチーム全体に浸透して、非常に迫力のある攻撃ができるようになりました。本当に1つ1つ課題をクリアしていったのが最後に実を結んだと言えるでしょう。

 その要因は何かと考えると、1つは降格後の初動が早く的確だった事があげられるかなと思います。いち早く今後目指すべきサッカーのスタイルを定め、監督にはJ2での経験が豊富な小林伸二氏にいち早くツバをつける事ができて、さらに現有戦力に維持に全力をあげて選手の流出を最小限にとどめる事ができました。ここがまず大きかったかな、と。2点目は戦い方がブレなかった事。開幕後の3分の1を終えて10位となると焦りが出て戦い方を変えるケースもあると思うのですが、そこでも微調整にとどめて、あくまで最初から志向した4-4-2の基本フォーメーションでショートパス主体で崩していくスタイルを変えませんでした。これが前述の1つ1つ課題をクリアしていく事につながったのかなと思います。昨年の、特に前々任の監督の時は戦い方がブレまくってましたからね。そういうストレスがなかったのは大きかったと思いますし、改めて監督というか指導者の重要性を再認識した年でした。一方で小林監督は「ここまで得点がとれるようになるとは思わなかった」という趣旨の発言をインタビューで語っていたと記憶しています。その意味では小林監督と選手達がお互いに刺激しあった結果、良い形の化学変化をもたらしたのかなと思っています。

 来年からは再びJ1の舞台で戦います。順位付けすれば17番目のチームですし、厳しい戦いになるでしょう。ただ今年のようにブレずに1つ1つ課題をクリアしていけば、乗り切っていけるのではないかと思います。それに期待しつつ、今季の戦いぶりの振り返りを終わります。

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