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2016年11月27日 (日)

2016年エスパルスかく戦えり(前編)

 エスパルスのJ1復帰決定から1週間たちました。昨日(11/26)のJ1復帰報告会にも大勢のサポーターが駆け付けたようですし、地元ではかなり盛り上がっているようです。何より今日から始まったJ1昇格プレーオフを他人事として見られるのがありがたいですね。

 今年は、あとは来季に向けた補強の動きなどを書くくらいではあるのですが、時間があるので今シーズンのエスパルスを振り返る記事を書きたいと思います。去年の今頃は「なぜ降格したのか」についていくつかの原因をあげる記事を書いたのですが、今年同じように昇格に至った要因を書くのも芸がないですし、今年ほどチームとしての成長が感じられたシーズンはないので、今季どんな戦いをしていたかを3つの時期に分けて書こうかなと思います。

 まずはJ2開幕からの14試合での戦いについてです。

 昨年、降格した後、クラブはきちんと原因分析をした上で、まずは現有戦力を落とさないよう選手の慰留に全力を注ぎました。一方で、監督選びについては、J2からJ1に昇格させた経験があり、またそのチームを翌年残留させた経験があり、かつ違うクラブ規模のチームを指揮した経験のある人という選考基準の下、大分、山形、徳島をJ1昇格に導いた経験のある小林伸二氏を招へいしました。選手についても、時には小林監督も選手との交渉に出席して慰留に努め、最終的に主力で移籍したのは平岡、ウタカくらいと、ほぼ現有戦力を維持する事に成功しました。

 オフ明けの練習では、前の年に「サイドハーフが最終ラインに吸収されるなど、守備組織ができていなかったという分析の下、攻守の切り替えを早くしつつ自陣に引いた時は4-4-2のブロックを作って守るやり方を浸透させていきました。攻撃においては、大分、山形、徳島の時のようにカウンター主体で攻めるのではなく、ボールを大事にしてじっくりボールをつないでビルドアップしていくサッカーを目指し、そのためにどうビルドアップしていくかをトレーニングして、開幕を迎えました。

 で、開幕からの14試合なのですが、予想以上に苦しみましたね。開幕後の前半の相手が、前年プレーオフにいった愛媛、長崎、C大阪、そしてJ1から降格してきた松本、山形と、厳しい相手との対戦が続いていたので結構厳しい戦いになるだろうな、と思っていたのですが、予想以上でしたね。

 守備に関しては攻守の切り替えを早くして、リトリートする時は4-4-2のブロックを作るというのが結構徹底されていて、おかげで開幕直後の3試合はクリーンシートで終えて去年とは違うところを見せていたのですが、4試合目の札幌戦で不運な形から2失点を喫し、さらに6試合目の熊本戦で西部が負傷し離脱したあたりから、守備面が怪しくなっていきました。要所で寄せが甘くてゴラッソを許した讃岐戦や京都戦、ドリブルへの対応がお粗末だった京都戦の2失点目など、ブロックはきっちり作ってるんだけど最後の寄せが足りずに失点する場面が目立ちました。またボランチに対して誰が守備をするのかが曖昧で、そのために徳島戦ではカルリーニョス、東京V戦では中後に自由にビルドアップを許す場面が目立ち、そこから相手に優位にゲームを運ばれてしまっていました。まあ「形はできていたけど、最後の寄せ(小林監督用語で言えば’際’)が甘い分、お世辞にも守備面が安定しているとは言い難かったですね。

 攻撃については、後ろからしっかりボールをつなぐ事でサイドにスペースを作り、そこからのクロスで勝負するというやり方が、開幕の時点から出ていました。ただ、去年のくせだと思うのですが、前の方の動き出しがなくてただ足元でボールをまわすだけ、という場面が、開幕からの14戦では多かったですね。得点も、金沢戦あたりはきっちりビルドアップしてサイドからのクロスでゴールするシーンもありましたが、基本的にはカウンターからのゴール、あるいは元紀や村田の個人技によるゴールが非常に多かったですね。だから元紀や村田がスペースを与えられないとそれで詰まってしまって決定機すら作れないという場面が多く、なかなか得点を伸ばす事ができませんでした。

 あと何よりこの時期問題だったのはメンタル面ですね。札幌戦が始まりでしたが、先に失点してしまうと慌ててしまって、自分達のやろうとしているサッカーができない試合が多かったです。このへんは去年負けが込んだ事により、チームの戦い方に対する自信を持てていなかったのが大きいでしょう。また相手のチームは、守り方はベタ引きだったり逆に前からガツガツこられたりと様々でしたが、共通して言えるのはどのチームも球際が非常に厳しかった事。坊ちゃん育ちでかつ勝ち慣れしていないエスパにはこの洗礼はかなり厳しいもので、結果として讃岐戦や岐阜戦などのように当たり負けしているうちに自らペースを乱す試合が相次ぎました。この時期のブログでは「’No Guts,No Win’がスローガンなのに何やってんの?」という感じのかなり厳しい事を書いてましたね。今思えば恥ずかしい限りなんですが、その当時はそういう感じだったんですよね。

 結果としてエスパルスの14節までの成績は以下の通り

  5勝4分5敗17得点14失点 10位

特に11節の京都戦から14節の東京V戦までは1分3敗というどん底状態。この時期は「こりゃJ1復帰なんて夢のまた夢だな。」と思ってました。ただ、ちょうど14節の東京V戦で河井が初めてボランチで起用されました。ここで逆襲へ向けた種がまかれたわけですが、これ以降の記事はまた改めて書きたいと思います。

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