天狗の鼻をへし折られた試合(8/14 山口戦)
まず、山口の事を称賛したいです。パス数1位はダテではなく、パスを出しては動く、出しては動くというのが徹底されており、またどうやって崩すかもチーム内で意思統一されている感じで、本当に見事でした。さすがにJ3を敵なしで上がってきただけの事はあります。
そんな山口を相手にして、前半早々にパスを引っ掛けてのカウンターから先制したまでは良かったのですが、その後変に受け身にまわってしまったのが悪かったと思います。まずダブルボランチの庄司と三幸を自由にさせ過ぎで、そこから中盤と最終ラインの間に入ってくる選手に簡単にパスを通されて、しかもその選手も簡単に前を向かせるから、サイドへ出されたり最終ラインのウラへ出されたりと、やりたい放題やられてしまいました。1失点目なんかは最終ラインがボールウォッチャーになっているし、あれだけバイタルエリアでフリーにしたらやられるでしょ。その後も最終ライン手前で凌ぐのがやっとで、どうにか同点で前半を終えたという感じでした。
後半、前半と同じようなパスカットから勝ち越したまでは良かったのですが、その後は前半と同じ。ボランチには相変わらず自由にやらせるわ、サイドで後手を踏みまくるわで、全く勝っている気がしない状態。それでも少しずつ山口の足も止まり始めたのですが、78分に守備のミスからPKを献上し、再び同点。その後は息を吹き返した山口に何度も危険な場面を作られ、ウチも1度だけ決定機がありましたが、長谷川が相手GKに当ててしまい、結局2-2で終了しました。
試合終了直後は、自慢にしていた攻撃力で完全に相手に上回られた事にショックを受けていました。ウチの攻撃力なら殴り合いになったとしても負けないと思ってましたから。ところが実際には山口自慢のパスワークにより蹂躙されるエスパを見せられたわけで、「上には上がいるな」と改めて思い知らされました。
しかし、1日たってみて、「反省するところはそこじゃないな」と思いました。それは「なぜあれだけ山口に蹂躙されたのか」という点、要はこの日は守備組織が全く機能しなかった事です。相手のボランチの庄司、三幸がキーマンになるのはわかっていたはずなのに、完全にフリーにしてしまった事、そしてブロックが緩くてタテパスを簡単に通された事、さらにそうしたパスの受け手に対する対応も緩かった事など、守備面で反省すべき点は山とあります。例えばタテパスを通されたら前の選手はポジションを取り直さないといけないし、最終ラインの誰かも前に出て自由にさせないようにするとか。あとは前でボールを持たれた時にディレイさせるのか奪いにいくのかの判断をもっとしっかりしないといけないでしょう。また、テセが試合後のコメントで「ファウルをしてでも止めないと」と守備陣を批判するコメントをしていますが、「じゃあテセと北川は最終ラインや下がってくるボランチのケアをちゃんとしていた?」とも言いたくなるわけです。球際を厳しく、というのは基本中の基本として、こうした守備時の約束事が少しおざなりになっているのではないか、というのをこの日の試合で感じました。
これまではどちらかというと「引いた相手をどう崩すか」が課題となっていて、それをクリアしようと今までやってきました。しかしその結果、3月くらいにやっていた守備組織の整備を忘れてしまったのではないかなという気がします。今のままだとJ1のチームはもちろんJ2で昇格を争うチームにも競り勝つ事ができないでしょう。それを防ぐためにも、もう1度守備面の見直しをきちんとやって欲しいと思います。
次はアウェイで横浜FC戦。C大阪、札幌を破るなどここのところ絶好調のチームが相手です。厳しい戦いになるでしょうが、ここで勝ち点を落とすわけにはいきません。今度は少し準備期間があるので、勝つために最善の準備をして欲しいと思います。
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