薄氷の勝利(10/14 天皇杯金沢戦)
非常にエンターテイメント性の高い試合で、外野から見れば面白い試合だったでしょう。ただ前述した通り当事者の立場で考えるとしんどい試合でした。
例によって前半の入りが良くなかった事、そして金沢をやや軽く見ていた事が苦戦の一番の原因ではないかと思います。立ち上がりこそ押し込んだものの、序々に金沢がギアを上げてきて、システム上のミスマッチ、特に村松の両脇に上手く入り込んでタテパスを引き出す事で突くようになると、全くそれに対応できずにズルズル下がってしまいました。10分からの10数分間はどちらがJ1のチームかわからない感じだったので、先制されたのは必然だったと思います。金沢のビデオは事前に見ていたと聞いていますし、それであんな手も足も出ない状態になったのは「何とかなるでしょ」と相手を甘く見ていた事に他ならないでしょう。そこは猛省すべきだと思います。ただ次第に相手の攻撃パターンに慣れてきてタテパスをきっちりケアするようになり、攻撃ではいつも通りにサイドを起点に攻めて、さらにウラへの意識を高めて最終的に前半のうちに同点に追いつけたのは良かったと思います。
後半の最初の15分はややこちらが優位ではあったものの金沢も虎視眈々とチャンスを伺うという展開でしたが、60分に本田と俊幸を投入してから流れが一気にこちらに来ましたね。特に本田の存在が大きかったです。守りでは彼のリスクマネジメントで金沢に攻め手を与えないようになったし、攻撃でも中盤の底で散らし役として完璧に機能していました。俊幸も積極的な仕掛けで攻撃を活性化してくれたし、非常に有効な選手交代だったと思います。勝ち越し点は90分まで待つ事になりましたが、90分のうちに勝ち越せたのは必然だったと思うし、ここまではいい流れでした。ただねぇ、勝ち越したすぐ後に見事なワンツーから同点に追いつかれ、その後もあわやという場面を作られてしまったのは反省しないといけないですね。ここでも受けてしまったというか、相手を軽く見てしまった部分があったんじゃないかと思います。終了間際に俊幸の劇的な勝ち越しゴールがあったからいいようなものの、あまり手放しでは喜べない試合となってしまいました。
まあ「どんな相手でもリスペクトしてしっかり準備しなければならない」という見本の試合でしたね。サッカーは番狂わせが多い競技ですからなおさらです。その点は反省して欲しいですね。一方で試合中に悪かった点を修正できた事など良かった点もないわけではないので、そういう良かったところは次もつなげて欲しいなと思います。次は調子を取り戻した鳥栖とラドンチッチ、本田抜きで戦わないといけませんが、この日のように焦れずに戦って、勝ち点3をもぎ取って欲しいと思います。
最後になりますが、ツエーゲン金沢について。「油断するな」と上で書いているのにアレなのですが、予想以上に手強くて、しかも良質のサッカーをしてきたので、正直ビックリしました。こういうチームが現れてくれるのはすごく嬉しいですね。実は僕の生まれ故郷のチームなのでこれからも注目したいと思いますし、いつかはリーグ戦のトップカテゴリーで戦いたいですね。
※ブログランキング参加中です。
| 固定リンク
コメント