最悪の広島遠征（7/30 広島戦）

　広島へ行って来ました。95年シーズンの天皇杯以来なので６年ぶり、ビッグアーチとなると10年以上行っていませんでした。ご多聞にもれず僕もＪリーグ開幕前年の92年頃からサッカーにハマりだしたクチで、そのため日本が初のタイトルを獲得したアジアカップの舞台となったビッグアーチは、その時に行っていなかったとはいえ、思い出の地と言えます。

　ただこの日の観戦で印象がかなり変わりました。バックスタンドで観戦したのですが、試合が始まってから入場する客の何と多い事か。15分過ぎてもいましたね。試合中もスタンドをウロウロしている人がやたらいたし（特にガキ！）、一番ビックリしたのは広島の勝利を見届けずに帰る人がかなりいた事。「ここはマツダスタジアムじゃねーし、やっているのは野球じゃねーぞ」と思いましたね。普段アウスタ日本平の雰囲気に慣れている僕にとっては「衝撃的」でした。広島がやっているサッカーは質の高いものだし、ゴール裏サポは最後まで声を出してましたが、残念ながら周りが全然追いついてないなという印象を強く持ちました。（広島サポの皆様、気を悪くされたら謝ります。「負け犬の遠吠え」と思って頂けると幸いです。）

＜Ｊ１　第19節　於　広島ビッグアーチ＞

　清水エスパルス　0ー4　サンフレッチェ広島

　試合の方ですが、１失点目で流れが事実上決まったと言えるでしょう。CKを１度は跳ね返すも拾われたボールを逆サイドに通されて、そこでの対応の軽さからあっさりと失点。まるで新潟戦のリプレーを見るようでした。その後はゴール前をしっかり固めた広島に対し、ボールは持ててもタテのパスをなかなか通せずにシュートにすら持ち込めず、逆にボールを引っ掛けられてはカウンターを受ける事の繰り返し。確かに人垣のような広島の守備網を崩すのは難しかったでしょうが、あまりにも工夫がなさすぎました。そうこうしているうちにカウンターからの服部のクロスへのクリアを誤ってのオウンゴール献上。前半のシュート数が２本しかなかった事を考えると前半で勝負は決まったようなものでした。

　後半はより前でディフェンスしようという意識が強くなり、そこから高原の決定機を作るなど前半よりは良くなりましたが、一方で前半以上にウラを狙われるようになり決定的な場面を与えるようになってしまって、いつ失点してもおかしくない感じでした。広島の守備ゾーンも次第に開き始めていたので、何とか先に１点返せればわからなかったのですが、何度かあったチャンスを活かせずにいるうちにカウンターから３失点目を食らい、その上岩下が異議で２枚目の警告をもらって万事休す。終了間際に李に２点目まで食らって、まさに「やりたい放題」やられての惨敗でした。

　確かに辻尾の負傷離脱は痛手ですし選手層に問題があるのは確かですが、少なくともコンディションに関して条件は相手と同じです。僕からするとこれまで騙し騙しやってきた問題点が一気に表出してしまった結果かなと思います。一番の問題点はサイドを振られた時の対応の甘さ。これはセットプレー時に顕著ですが、流れの中でもサイドチェンジされた時にずれるのが遅れて相手を自由にしてしまう場面がこの日も何度あった事か。早急に対処すべき問題です。攻撃面では相手にセットされた時の攻めの貧弱さ。３～４人が前に張り付いてタテのパスを引き出す動きがなければそりゃバックパスが増えますよ。ちょっと動けばパスコースは作れるし、その動きに周りが連動して動くようになれば攻撃のバリエーションは増えるはず。そうした動きがまだまだ少ないのは問題ですね。

　ただ何より問題なのは失点を防ぐために体を張るとかいう姿勢がほとんどなかった事。１失点目はその象徴でしょう。攻撃時も何とかシュートに持ち込もうという姿勢が見えなかったし。折り返し時点で６位につけた事で「カン違い」しちゃっているんじゃないですかね。６月の時のようにもっと１人１人が粘り強く戦っていかないと今のチームはダメですよ。前節の惨敗がいいクスリになればと思っていたのですが、ナビ杯でカン違いが復活しちゃいましたかね。とにかく酷い試合でした。

　これでアウェーとはいえリーグ戦２試合連続の0-4での惨敗。はっきり言って「プロ」のする事じゃないし、いくら今季が「我慢の年」と言っても酷すぎます。次もアウェーでの新潟戦ですが、幸い１週間の準備期間があるので、次の試合では性根を入れ替えた「ノーマルなエスパルス」を見せて欲しいし、その義務があると思います。それが出来なければ今後のホームの観客動員、ひいては自分達の年俸に響く事を覚悟すべきでしょう。

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